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面白法人カヤックは、面白採用キャンペーンを2008年から始めている会社。インパクトのある採用手法に隠されたその真意は? ユニーク採用の意図を人事部長の柴田史郎さんに聞きました。

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コンテンツの会社だから採用も面白く!

これまでやった面白採用には、どんなものがありましたか?
柴田さん:「いちゲー採用」は、ゲームの上手さを一芸と評価して、ゲーム事業で活躍してもらうための採用です。一般には「ゲームなんて時間の無駄」といわれがちですが、オンラインゲームをやり込んでいることは、ゲーム制作のスキルとして役立ちます。新卒はもちろん、未経験者の中途採用でも取り入れ、2017年から現在まで続いています。Webで情報発信している人やものづくりをしている人の採用に取り入れたのが、「エゴサーチ採用」です。検索結果の名前やブログ、作品にその人が表れているから、履歴書が不要で選考は検索結果だけ。こちらは、2015年からやっています。
面白採用はそれぞれの名前もキャッチーですね。
こうした採用を始めたきっかけは何だったんですか?
柴田さん:最初にやったのは、2008年の「変人採用」でした。カヤックは「面白法人」を名乗っているとおり、会社の運営スタイルも面白くしていこうという思いがあります。ゲーム事業や広告事業などコンテンツをつくって面白がってもらうのと同じ軸で、採用活動も外部に面白いと思ってもらいたいというのがねらいです。「いちゲー採用」も「エゴサーチ採用」も「つくる人を増やす」という経営理念にのっとっています。

面白採用は、課題解決型・働き方提案型・バズ型の3つがある

こうした採用アイデアは、どのように決まっていくんですか?
柴田さん:面白採用にもいくつかタイプがあって、まずは会社の課題を解決するためのものがあげられます。「いちゲー採用」はこのタイプで、カヤックはゲーム業界トップの会社ではないので、何もしなくても優秀な人材が集まるわけではありません。でも隠れた優秀な人は発掘したい。となったときに、未経験や新卒のなかにゲームをやり込む才能を持った人がいるんじゃないか、というアイデアで発想しました。採用したい人材のタイプとカヤックの面白さをかけ合わせて、課題を解決するための手法として考えたわけです。
ほかにはどんなタイプがありますか?
柴田さん:「夫婦採用」というものもやりましたが、一緒に働けば夫婦の時間が増えるという発想です。カヤックは鎌倉にオフィスがあるので、もし片方が都内で働いていたら遠くまで通わなくてはなりません。そうではなく一緒に働くことで新しい生き方にもなるというカヤックからのメッセージも込められています。鎌倉にあるカヤックだからできる、夫婦でゆったり働くという提案なんです。一方で、ただバズる——話題になることだけを狙ったものもあります。「変人採用」なんてまさにそう。実際にこれで採用できた人はいませんでしたからね(笑)。
採用できなくても、大丈夫なんですか?
柴田さん:これは実際に調べてわかったことなんですが、面白採用でカヤックを知ってもらうタイミングと、その人が応募するタイミングってズレているんです。面白採用でカヤックを知ってもその場では応募せず、転職を考えたときになって意識するものなんです。だから、「変人採用」のように一過性のバズを生むようなタイプのものも無駄じゃない。応募してもらうことよりも、カヤックを覚えてもらうことが大事。そういう意味で、こうしたタイプの採用は、話題になる広告のようなイメージで考えている面もあります。実際、Yahoo!ニュースに取り上げられて、話題になったものもあります。

自ら情報を積極発信、次なるブランドは日本発!

面白採用をやってみて、どんな成果がありましたか?
柴田さん:「エゴサーチ採用」のようなタイプだと、当然ながらちょっと尖った個性的な人が採用できます。でも、それ以外は通常採用で集まる人材と大きくタイプが変わるわけではありません。カヤックは面白採用ばかりやっているわけではなくて、実際には通常どおり履歴書を送ってもらって採用するケースがほとんどです。とはいえ、面白採用が話題になって知った人が「面白法人」という名前に惹かれてホームページに載っている過去の仕事を見て、面白いものをつくりたいと、応募してくる流れなんだと思います。面白採用でもそれ以外でも真ん中にある部分は同じ。その証拠にカヤックは採用サイト経由ではなく、コーポレートサイトからの応募が非常に多くなっています。面白採用は入口を増やす役目と広告のような役目の2つがあるんです。
そうすると、面白採用の本当のねらいというのは何なんでしょうか?
柴田さん:どういう人が集まってくるのかのコントロールができるということでしょうか。「いちゲー採用」はゲームが上手い人、「夫婦採用」は鎌倉で新しい働き方を求める人が集まってきます。夫婦採用の場合、カヤックはそういう生き方をしている人を応援したい、一緒に働きたいということです。採用は、企業のメッセージに対して、どこまでお互いが響き合って一緒になりたいかをすり合わせる場。面白採用は企業側の特徴的な姿勢が示せるので、ミスマッチが少なくなって企業が求める人を採用できるということかもしれません。

ユニーク採用の秘訣は、予算のかけ方ではなく頭の使い方

いま、従来にない採用方法を取り入れる企業も増えてきていますが、
その先駆けとして、導入したい会社へアドバイスはありますか?
柴田さん:カヤックのやり方を表面的に真似しても意味はなくて、その会社らしさが何かをアピールすることが大切なんだと思います。特にいまは売り手市場なので、働く人の立場が強いんです。そんな中で、働く理由をお金以外の部分でアピールできるユニークなものがその会社にとっての大切なこと。カヤックだったら「面白い」「夫婦ふたりが鎌倉で働ける」というような部分です。そういう部分があれば、働く人に山ほど選択肢があるなかで突出できる。それは予算のかけ方ではなく、頭の使い方でどうにでもなる部分なんです。
今後、働き方が多様化するなかで、採用や会社と社員の関係性は
どんなふうに変わっていくでしょうか?
柴田さん:人事の立場というのは、会社側のエージェントという面が強くなります。会社からお給料をもらっているので。でも、これからは社員側のエージェント的な立場の人事も必要なのかなと思います。ふたつが引っ張り合う関係性だと、長い目で見て退職する人も減るでしょうから、会社のためにもなります。カヤックはクリエイターが多いので、週3だけ働きたい、副業したい、独立したいという人も多いんですよね。これから人事を含めた組織づくりは、変わっていく時期なのかなと思います。

ありがとうございました!

面白採用はインパクトのある方法で会社のことを知ってもらうと同時に、どんな人材が欲しいかを考え抜いた先に発想されたものでもありました。人材は会社にとって最も大切なもの。採用を考えることは、会社がどうなりたいかを考えることかもしれません。

面白法人カヤック

経営理念は「つくる人を増やす」。日本的面白コンテンツ事業を事業内容とし、ゲーム事業やクライアントワーク事業、ウエディング事業などを行っている。
https://www.kayac.com

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