トップページ > 特集 vol.77 魅惑のスポーツカー

 魅惑のスポーツカー

いま、“冬の時代”と言われていたスポーツカーに再び脚光が集まっています。2019年5月にはトヨタの新型スポーツカー、スープラが日本デビューを果たし、電気自動車分野でも各メーカーがEVスポーツカーの開発に着手。そんなスポーツカーの歴史を紐解いてみると、自動車黎明期から人々を虜にしていたことがわかります。今回の「Trace」では、古くて新しいスポーツカーについて掘り下げてみます。

元祖スポーツカーは国王のお墨付き!

 19世紀末にクルマが実用化されると、自動車を使ったレースも自然と行われるようになり、20世紀初頭には世界各国のメーカーから、実用性より走行性能を重視したさまざまなタイプのスポーツカーが登場します。史上初のスポーツカーと言われているのが、スペインで生まれたイスパノスイザ・アルフォンソXIII。1911年に登場したこのクルマは、もともと「タイプ15」という名前でしたが、クルマ好きとして知られていたスペイン国王のアルフォンソ13世に王妃が贈呈したことから、「アルフォンソXIII」という愛称で知られるようになったそう。フランスの自動車雑誌が始めたレースで優勝したプロトタイプをベースにした同車は、高性能で軽快な操縦性から“史上初のスポーツカー”とされているんです。ちなみに、「スポーツカー」という名称は、1895年に創刊したイギリスの自動車雑誌『オートカー』で“Sporting car”、“Sports car”と呼ばれたのが最初と言われています。

“動く彫刻”となったスポーツカー

 2度の大戦の後には、“動く彫刻”と称されるスポーツカーが登場します。イタリアの大富豪であるピエロ・ドゥジオが第2次世界大戦後に興したチシタリアの202クーペです(1946年)。当時のスポーツカーの特徴だった長いノーズを意図的に避け、ボディとフェンダーを一体化した美しいデザインが特徴のクルマは、数多くのレースで活躍し、1951年にはニューヨーク近代美術館で自動車として初めてパーマネントコレクションに加えられました。高価過ぎたためか商業的には失敗したものの、傑出したデザインや生産技術が戦後の自動車のスタイル、デザインの流れを一気に変えたのです。

ひと目見たらわかるあのクルマ

 戦後はフェラーリ、ランボルギーニなど、スポーツカーの世界を代表するメーカーが産声を上げました。スーパーカーというジャンルを牽引することになるこれらのメーカーについては後述しますが、この頃誕生したポルシェも、スポーツカーの世界を代表するメーカーのひとつです。ダイムラー・ベンツなど戦前のドイツの名門メーカーでエンジニアを務めていたフェルディナント・ポルシェが設立したポルシェは、戦時中は国民車構想の実現に取り組み、戦後、フォルクスワーゲンとして構想がかたちになると、同社とロイヤリティを締結。息子のフェリーはそれを資金源として、スポーツカーの開発に着手します。ワーゲン用のエンジンをはじめとする部品を用いて完成された356は、当初、車体の中央にエンジンを配置するミッドシップとして設計されていたものの、最終段階でリアにエンジンを積むレイアウトに変更したことで、スポーツカーでありながら補助後席を持つクルマとして市場に受け入れられ、レーシングカーとしても数々の実績を残し、そのコンセプトはのちの911などにも受け継がれていくのです。

日本初の最高時速200km!!

 自動車大国に成長した日本からも数々のスポーツカーが登場しました。日本初の本格的なスポーツカーのひとつとされるのが、いまや半世紀以上の歴史を持つ日産フェアレディです。1959年のダットサンスポーツS211をルーツに持ち、1962年に登場したフェアレディ1500(SP310)は、3シータ—タイプで後部座席が“横乗り”というユニークなデザインも目を引く1台。後継車のフェアレディ2000(SR311、1967年)は、カタログデータながら国産車として初めて最高時速200kmの大台を超えたことでも知られています。そして、1969年には北米市場での成功を目指してフェアレディZ(ダットサンZ)が登場、速くて安価なスポーツカーとして、アメリカでは“Z-Car”の愛称で人気を博しました。

バブル期の国産車が世界を変えた!

 バブル景気のまっただ中、1989年には世界のスポーツカーシーンを変えるマツダ「ユーノス・ロードスター」が登場します。ハイパワーなスポーツカーが主流だった当時、同車は2シータ—でコンパクト、1トンを切る軽量オープンカーとして、スポーツドライビングの楽しさを人々に伝えました。国内月販100台という予想を大きく上回り、国内だけで月2000台を超えるセールスを記録し、メルセデス・ベンツSLK、BMW・Z3、フィアット・バルケッタ、そしてポルシェ・ボクスターなど、世界中のメーカーがユーノス・ロードスターのコンセプトに影響を受けたオープンタイプのスポーツカーを次々と投入したほどなんです。

硬派なスポーツカーからの脱却

 ユーノス・ロードスターが登場した1989年は、量産車として世界初のオールアルミの軽量、高剛性モノコックボディを採用し、開発にはF1ドライバーのアイルトン・セナや中嶋悟も参加したホンダ・NSXが発表された年でもあります。“硬派”が美徳とされていたスポーツカーの世界で、オートエアコンや電動パワーシート、運転が容易なAT版も用意されるなど、至れり尽くせりの装備だったNSXには批判的な声もあったものの、後年にはスポーツカーにも品質を求めることがスタンダードになり、快適かつ高級感のあるスポーツカーのはしりとして、現在も同シリーズは熱い支持を得ています。

スポーツカーが宇宙を駆ける……?

 ポルシェやジャガー、BMW、アウディなどが参入し、裾野が広がりつつあるEVスポーツカー。なかでもEV専門の自動車メーカーであるテスラが2008年に発売を始めたロードスターは最新型になると最高時速は約400km、停止状態から時速100kmに達するまで2.1秒しかかからず、この数値は平均的なF1カーよりも速いのだとか……。ちなみに、2018年には、同社のCEOであるイーロン・マスクが宇宙ベンチャーのスペースXのCEOを務めていることから、NASAが打ち上げた大型ロケット、ファルコン・ヘビーに、打ち上げ能力を確認する積み荷として搭載され、ロードスターは宇宙に飛び立った最初のスポーツカーともなったのです。

過去には時速500km超えも!?

 EVスポーツカーといえば、モナコのヴェンチュリオートモービルとアメリカのオハイオ州立大学が共同開発したEVスポーツカーが、2016年に最高時速549.43kmを記録したことも特筆すべきところ。実は、EVと世界最高速度記録の関係は古く、自動車の黎明期、1899年には人類初となる“100kmの壁”を電気自動車が破っているんです。この記録を打ち立てたのが、ベルギー人のカミーユ・ジェナッツィが自作したジャメ・コンタント号。モーターと電池で動く当時最先端のEVは、パリで行われた1kmのコースを走るスピードコンテストで時速105.9kmを達成して人々を驚かせました。


2020年には完全自動運転機能を実現するとテスラのイーロン・マスクが公言していることからも、これからも進化が期待できるスポーツカー。次のページでは昭和の子どもたちを熱狂させたあのクルマたちのトリビアをご紹介します。

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