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おとなの補習時間 いまどき若者世代との付き合い方

今年入社した新人や若手社会人は、1995年前後に生まれたデジタルネイティブ世代。40~50代のビジネスパーソンとは、仕事の向き合い方やプライベートの過ごし方が異なるため、どう付き合っていいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は、若者世代の特徴と付き合い方を、サイバーエージェント次世代生活研究所・所長の原田曜平さんに聞きました。

若者世代の基礎知識

若者世代の特徴とは?

1.不景気で育ってきた→消費意欲がうすくコスパ優先

いまの若者が生まれ育ったのは、バブル崩壊以降に長らく続いた不景気の時代。経済成長を知らないため、上の世代のように高価なものを買いたいという気分にならず、消費意欲が希薄。その結果、コスパ優先であり、クルマ離れ、ビール離れといった傾向にもなっています。

2.スマホネイティブ世代→SNSが生活の中心

40代が携帯電話を手にしたのは大学生や社会人になってからですが、いまの若者は14~15歳で自分の携帯電話を持ち始めた世代です。スマホの登場以降は、SNSに親しみ、その分テレビ離れが進むことに。「インスタ映え」「ユーチューバ―」といった流行を生み、憧れの対象は親近感のあるインフルエンサーとなっています。

3.少子高齢化のなかで育ってきた→競争が苦手

少子高齢化で育った若者は、同学年の人数が上の世代より少なく、一人っ子も少なくありません。両親だけでなく、祖父母や子どものいない伯父叔母からもかわいがられ大事に育てられてきたので、競争が苦手。ガツガツした雰囲気や強いプレッシャーをさける傾向にあります。

「ミレニアル世代」「ゆとり世代」「さとり世代」は、それぞれ別モノ?

仕事に向き合うときの特徴とは?

ワークライフバランスが大切

消費意欲がうすく、競争が苦手な若者は、そこまで上昇志向が強くありません。仕事をするときもほどほどに。就職活動では、高給よりも残業時間の少なさを重視しています。ワークライフバランスは、仕事をするうえでも人生設計するうえでも欠かせません。

争うよりもフラットな人間関係が好み

競争やガツガツした雰囲気が苦手な若者は、タテ社会やカリスマ的なリーダーを好みません。周りの大人に大切にされて育ち、部活動でも厳しい先輩後輩関係がなかったことから、上司や先輩への忖度はできず、理不尽な人間関係なんてもってのほか。フレンドリーでフラットな人間関係のなかで働くことを好みます。

キャリアアップよりも安定が大事

不安定な経済状況で育っているため、転職してキャリアアップしたいというよりも、安定的な企業で定年まで働きたいと考えています。特にこの5年は、超売り手市場だったことから、就活も超大企業志向。そのなかで、好きなことを副業にしながら、自由に働けるのがベストと考えています。

パソコン離れでキーボード入力が苦手

スマホ世代の若者は、学生時代からスマホでインターネットが利用できていたため、パソコンを所有していなかった人も多数。文字入力はキーボードよりもフリック入力が中心で、キーボード入力に慣れていない傾向にあります。

上澄み層はグローバル志向も

若者世代が育ってきた時代は、実は格差社会が進んできた頃。一部の上澄み層で育った子どもは、親の駐在や留学でグローバル志向が強い傾向にあります。また、早くからデジタルに興味を持って、パソコンを買い与えられた若者も。自分で動画ソフトやプログラミングソフトを使いこなし、就職する前に実績をもつ優秀な若者もいます。

ゆとり世代と団塊ジュニア世代の違い

団塊ジュニア世代とは?

1970~74年生まれの働き盛り世代で、若者世代の上司にあたります。中高生までは日本の経済成長をみてきましたが、人口が多く受験競争も経験。バブル崩壊後に就活したことから、就職難に見舞われました。

新卒の頃、目指した姿は?
ゆとり世代 安定志向が強く、大企業や公務員が人気

不景気のなかで育っているため、安定志向が強く、大企業や公務員が人気。なかでも、ここ5年は就職活動が超売り手市場なため、給料が高い超大企業志向に。みんなと仲良くやって、そこそこ出世しているイメージの「管理職」を目指しています。


団塊ジュニア世代 手に職をつけ、専門的なプロに

経済成長下で育っているため上昇意欲やガッツはあるものの、就職活動時はバブルがはじけた氷河期世代。企業にはしごをはずされたかたちとなり、恨み節が強いのが特徴です。そのため、自分の力を武器に世の中を渡っていこうと、「専門職」を目指す人が増えました。

デジタルとの向き合い方
ゆとり世代 スマホ第一世代

生まれた頃からインターネットがあり、中高生の頃からスマホを所有してきたスマホ第一世代です。メディアの中心はテレビではなくインターネットやSNS。そのなかでコミュニケーションをとり、現実では出会えない人とも交流を図ります。


団塊ジュニア世代 インターネット第一世代

子ども時代にテレビゲームに夢中になり、大学生の頃に携帯電話やインターネットに親しんだ世代。堀江貴文さんや藤田晋さんなど、IT社長もこの世代。インターネット文化の中心を担っています。

人生で重視するもの
ゆとり世代 自己実現を重視し、社会貢献にも興味

仕事で重視したいのは自分のやりがいや充実感で、地位や年収にはこだわりません。その代わり、プライベートを大切にしており、そこでも自分の好きなことをやっていたい傾向に。SNSで培ったさまざまな人への共感力からくる問題意識もあり、ボランティアや社会貢献の意識も強くなっています。


団塊ジュニア世代 仕事でプロフェッショナルに

上昇志向と専門志向が強く、自分の市場価値を高める勉強に熱心。キャリアアップの意識も強く、世間で評価されるようなプロフェッショナルになりたい傾向に。女性の社会進出が進み、共働き世代が増え、仕事と家庭の両立を図る人も増えています。

現代の若者世代とうまく付き合うには?

仕事のシチュエーション別・若手社員への接し方

注意したいときは?

まず注意するときに怒るのは、意味のない行為です。若者世代は小さな頃から大切にかわいがられているので、大人から厳しくされることに慣れていません。基本的に接するときは、ほめながら。注意するときも叱るのではなく、感情を込めず指摘するイメージだと、案外素直に受け入れてくれます。

競い合って、がんばらせたいときは?

競争が苦手な若者世代をあえて競わせたいとき、壁に成績表を貼り出してプレッシャーを与えるのは逆効果。ブラック企業と揶揄されるリスクもあります。そんなときは、同期とプロジェクトチームを結成し、チームで評価しましょう。漫画『ONE PIECE』のように助け合って成長していくのが彼らの理想です。

個人の能力を引き出すには?

指示待ちと言われる彼らに「背中を見て覚えろ」は通用しません。仕事の意図や目的を丁寧に説明するやり方が基本となります。理想とするのは、青山学院大学の原晋監督や日本ハムファイターズの栗山英樹監督。若者をスターとして扱い、ケアして育成する考えが重要です。

若者の力を会社の仕事に活かすには?

若者世代の最大の魅力は「共感力」です。彼らは、中高生の頃からSNSで多くの人達とつながって生きています。ひと昔前なら、恵まれて育った若者は同じような環境で育った人としか接してきませんでしたが、いまの若者は都会で育っていても地方にも目を向け、さまざまな境遇の人の暮らしを知り、共感からくる問題意識を持ち合わせています。そのため、モノが売れない時代のマーケティングアイデアを彼らなら持っているかもしれません。プロジェクトを進めるエネルギーを持った働き盛り世代と、さまざまな視点を持った若者世代の力をかけ合わせ、うまく仕事に活かしてみてはいかがでしょうか。

監修:原田曜平さん

サイバーエージェント次世代生活研究所・所長、マーケティングアナリスト/若者世代のマインドや消費行動を探る若者研究家。さとり世代、マイルドヤンキー、伊達マスクの名付け親としても知られる。著書に『さとり世代』『ヤンキー経済』『平成トレンド史』『若者わからん!』『それ、なんで流行ってるの?』などがある。テレビ出演も多数。

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