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おとなの補習時間 いまから準備しておきたい資格の話

大手企業で副業が解禁されたり、AI(人工知能)がさまざまなビジネスに活用されたりする影響で、近い将来、雇用の減少が予測されます。今後もビジネスシーンで活躍するためには、どんな資格が役立つのでしょうか? キャリアアドバイザーの高村祐規子さんに、これからの時代にニーズが増えそうな資格を教えてもらいました。

今後、資格が必要になるってホント?!

企業の副業が解禁になったのは、終身雇用の崩壊が1つの理由です。AIがさまざまな企業に導入されるニュースも毎日のように流れています。下に一例をあげていますが、今後、誰でもできるような定型業務はAIが担当する時代になるでしょう。レジは無人レジ、長距離運転は自動運転と、人間が担当してきた業務の引き継ぎが進めば、会社に属しているにしろ、フリーで働いているにしろ、ビジネスパーソンとして生き残りが厳しくなってくるといっても過言ではありません。
そんな時代に自分の強みを「見える化」できるのが資格です。例えば、「英語ができる」とアピールするにも、どの程度のスキルがあるのかはTOEICの点数を示せばわかりやすい目安となります。また、これからの時代に持っておくとニーズが高い資格も、当然あります。ぜひ、そうした資格を今後のキャリアにいかしていきましょう。

企業のAI導入例

◆三井住友海上火災保険

コールセンターの顧客対応でAIを活用した自動音声認識システムを導入。顧客からの問い合わせ内容を文章にし、事前に学習した回答事例から最適な答えを導き出す。

◆大東建託

物件管理や賃貸仲介事業にAIを導入。現在は従業員が対応している居住者の住まいに関する問い合わせの8割を任せるほか、部屋探し業務も一部AIが対応する。

◆法曹界

AI技術の進展が法曹界に与える影響について調査したところ、「パラリーガル(※)など支援業務従事者が職を失う」との回答が4割。 ※弁護士の監督下で法律業務を補佐する者

◆ゴールドアイピー

知的財産ビジネスを手がける同社で、AIを使った特許審査のシミュレーションができるソフトを開発。これまで75~100万円程度かかっていた特許出願までの費用を約30万円下げられる見込み。

そんな時代だからニーズ増? 目的別おすすめ資格

キャリアアップしたいなら①

1万人削減のリストラが進められることになった三菱東京UFJ銀行は、国内依存のビジネスモデルから脱却。海外利益を求めて、国内外一体の営業体制を築くべく組織再編に踏み切りました。この流れは、他の業界でも強まるとみられ、海外勤務のポジションでなくても、書類やメールで英語が必要になってくるでしょう。

おすすめ資格
 TOEIC

世界160ヵ国で実施されている英語のグローバルスタンダードといえる資格。オフィスや日常生活における英語によるコミュニケーション能力を幅広く測定。テスト結果は合格・不合格ではなくスコアで表示されます。

キャリアアップしたいなら②

今後、AIが当たり前の時代になると、データ入力などの定型業務はなくなるといわれています。こうしたなか、“残れる人”になるためには、AIが指示どおりに稼働しているかをチェックするなど、AIができない作業を行う必要があります。そのために有効なのは、パソコンスキルを「見える化」できる資格を持っていることです。

おすすめ資格
 MOS

エクセルやワードなどマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格。世界で通じる国際資格です。


 ビジネス統計スペシャリスト

データ分析の実践に重点を置き、エクセルを使用したデータ分析技能と分析結果を正確に理解し、応用する能力を評価する資格。ビジネスパーソンとして基礎的なデータ分析の知識をアピールできます。

転職を考えているのなら

2025年には団塊世代800万人が後期高齢者になります(ちなみに2017年に成人になった人は121万人です)。医療費抑制のためにリハビリ需要が高まっており、理学療法士や作業療法士の資格を持っていると転職しやすいでしょう。

おすすめ資格
理学療法士

身体に障害のある人に対して、座る、立つ、歩くなどの基本動作能力の回復を支援する医学的リハビリテーションの専門職。国家資格で、主に病院やクリニック、介護保険関連施設等で働きます。


作業療法士

入浴や食事などの日常生活の動作からレクリエーションまであらゆる作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行う専門家です。理学療法士と違い、精神障害の患者さんも対象となります。

プチ起業したいなら

どんな分野で起業するにしても、お金の知識は必要になってきます。そこで、おすすめなのがファイナンシャルプランナーの資格。資格を取る過程で税金や保険などの知識を浅く広く学べるので、役に立ちます。

おすすめ資格
FP技能検定3級

暮らしの中で役に立つお金の知識を学べる資格。学科試験と実技試験両方の合格が必要です。

在宅収入を得たいなら

新学習指導要領では、2020年から小学校で英語が新しい教科となり、プログラミング学習も必修化が盛り込まれました。英語やプログラミングが得意なら、土曜日などに自宅に子どもを集めて教えてみてはいかがでしょうか?

おすすめ資格
TOEIC、各種プログラミング資格

事務系の実務経験を活かして、在宅で企画書などの作成を受注する方法もあります。英語ができれば海外のクラウドソーシングに登録することも可能です。MOSは国際資格なので、海外の仕事をするときにも証明になります。

おすすめ資格
MOS

士業に求められる資格以外の能力とは!?

昨年末、政府が公認会計士や行政書士、司法書士、社会保険労務士などの資格を取得できる最低年齢を、現在の20歳から18歳に引き下げる方針を固めました。しかし、国家試験合格が困難とされるこうした士業の資格を取れば安泰、という時代も昔の話。弁護士にしろ、司法書士にしろ、今は顧客の課題をしっかりと把握し、新たな展開を提案できるようなコンサルティング能力がないと厳しい時代になっています。ただし、企業内の弁護士や税理士、会計士、弁理士はどこの大手企業もほしい存在。その企業ならではの専門性や事情に精通した仕事ができるのが理由です。会社内で経理や知的所有権などの領域を担当しているのであれば、国家資格はとても有効でしょう。

資格を活かしてお金を稼ぐには……!?

いくら資格を取得しても、それを役立て、収入につなげられなければ“宝の持ち腐れ”になってしまいます。資格取得の際は、いたずらに準備や対策を進めるのではなく、まずは世の中の動きをしっかりチェックし、どんな資格が必要か、どこへ転職したらよいかを探ることが大切です。どのような企業や職種が稼げるか、AIにより仕事はどのように変化するかを知ることから始めましょう。さらに、自分のいる業界だけでなく、意識的に他業界の人と話をして、自分の能力を客観的に判断できると、自分の強みやどんな市場に打って出られるかがわかります。
また、今の時代は1つの資格を取得すれば、どうにかなるというものでもありません。そこに英語などを掛け合わせたり、実務経験を活かしたりすることで稼げるものになります。自分の能力を磨くクセは、常につけておいたほうがよいでしょう。

監修:高村祐規子さん

キャリアアドバイザー/合同会社キャリア&マネー協会代表。リクルート、リクルートエージェントを経て、2014年に独立。女性の能力開発・キャリア研修のプログラム開発・研修などの会社を設立。派遣会社の顧問や大手外資系企業の女性支援プログラムや運営等に関わる。
現在までに約1万人以上の女性とのキャリア面談経験をもつ。著書に『資格をお金に換える方法』がある。
http://www.career-money.com/

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