トップページ > リサーチ隊[銀座にぎわいの秘密をリサーチ]

今回の参加メンバー

  • 岡田 智佳子
  • 小泉 啓介
  • 上野 俊一

岡田:この春オープンした「GINZA SIX」、もう行きましたか? 私はこの週末、早速行ってきましたよ~!

上野:「東急プラザ銀座」ができたり、「ソニービル」が建て替えで営業を終了したり、銀座はこれからどんどん変わっていきそうですよね。

小泉:でも、新しいビルができても銀座らしさは失われないのが不思議だと思わない?

岡田:確かにそうですよね。日本一の商業地・銀座についてリサーチしてみたいかも!

一同:賛成!

上野:……というわけで銀座にやってきました。今回は、全銀座会街づくり委員長の岡本圭祐さんにご案内役をお願いします!

岡本さん:ようこそ銀座にお越しくださいました。今日は銀座の歴史と今後を一緒に訪ねましょう。

岡田:岡本さんって、とってもダンディーですね!(照)

小泉:岡本さんは、銀座に本店のある老舗カステラ店・文明堂の会長さんでもあるんですよね。

岡本さん:まずは銀座の歴史を年表にまとめたので、ご覧ください。

GINZA HISTORY

上野:バブル期には金融機関、1990年代後半はスーパーブランド、2000年代はファストファッションと、時代が読み取れるのが興味深いな〜。

岡田:昭和初期のカフェ文化というのも気になる!

小泉:まさにその時代を代表する力のあるものが銀座をつくっているんですね。

岡本さん:おっしゃる通りです。歴史を振り返ったところで、まずは銀座の古い姿が残る場所からご案内しましょう。

上野:こちらの「ヨネイビル」と「奥野ビル」は、銀座に現存するビルでも古いビルのひとつ。それぞれ1930(昭和5)年と1932(昭和7)年に建てられました。

小泉:ヨネイビルは、洋菓子店のアンリ・シャルパンティエが入っているから知っていましたが、そんなに歴史があったとは……。建物の西洋風の佇まいが、洋菓子店のブランド力アップに貢献している感じですね。

上野:奥野ビルもかっこいい〜。表参道にあった同潤会アパートに似ていませんか?

岡本さん:よく気づきましたね。どちらも設計を手がけたのが、建築家の川元良一さんなんです。

岡田:昭和初期からこんな建物があったなんて、やっぱり銀座は当時から洗練されていたんですね。

岡本さん:次にご紹介したいのが、新橋演舞場の近くにある「采女(うねめ)橋」です。今は下に高速道路が走っていますが、かつては道路のところに川が流れていたんですよ。

岡田:そういえば、銀座には数寄屋橋や万年橋、三原橋など橋にまつわる交差点名が多いですよね。

岡本さん:そうなんです。現在高速道路が走っている部分はすべて川、銀座はぐるりと川に囲まれていた水の街だったんです。

小泉:ということは、晴海通り上の銀座通りと昭和通りの間にある三原橋も川だったんですか?

岡本さん:はい、かつて三十間堀という川がありました。戦後、焼け野原になった銀座で川にゴミが捨てられ、異臭を放っていたこともあって、1952(昭和27)年に戦災ガレキで埋めたんです。

三原通りに移動

小泉:あれ、あの喫茶店の名前、「三十間」だ。こんなところにも名残りがあるんだなあ。

岡本さん:もともと銀座は明治初期の大火があって、火事に強い街にしようと煉瓦街になって発展した街です。その後、関東大震災、第二次大戦でも壊滅的な被害を受けましたが、復興のたびに人々が力を合わせて街を洗練させていった歴史があります。つまり銀座は、復興の街でもあるんですよ。お次は、銀座のランドマークに行ってみましょう。

小泉:おー、新しくなった歌舞伎座はやっぱり立派だなあ。一棟のビルで伝統と革新を表現した銀座らしい建物ですよね。

岡本さん:歌舞伎座は銀座で一番高い建物。銀座には56mの高さ規制があるんです。東京はどんどん摩天楼になっていますが、銀座は盆地的に街並みを統一していこうとしています。

岡田:それはどうしてですか?

岡本さん:やはり「銀ぶら」の街ですからね。建物の高さで競うのではなく、美しさとショーウィンドーを楽しんでもらいたいと思っています。銀座は丸の内や日本橋のように、ひとつのデベロッパーが開発してきた街ではありません。百貨店があったり個人店があったり、大中小の規模の店がモザイクのようになっているのが魅力なんです。

上野:ひとつのデベロッパーが開発していない分、街づくりには苦労があると思います。新しいビルが建てられるときって、どんな話し合いをされているんですか?

岡本さん:歴史的保存地区のように、画一的な街にしたいわけではありませんから、美観的な問題に対しては、「個性を大事にしたうえで、突出したものは我慢してください」という話し合いをしています。広告やデジタルサイネージに関しても最小限にして、もしそうしたものをつくるなら、銀座でしか見られないものをつくってくださいと要望しています。

上野:なるほど。

岡本さん:とはいえ、事業者の方は銀座に進出するにあたって、美しい内外装をつくろうという心意気をお持ちの方が多いですね。

岡田:みんなが銀座という街をリスペクトしているから、街づくりに対しても理想的な状態になっているんですね。

GINZA SIXに移動

上野:わー、ほんとに大きい! 2ブロック全体が複合施設になっているなんて、銀座始まって以来じゃないですか?

小泉:銀座らしさという意味で、「GINZA SIX」にはどんな工夫がなされているんですか?

岡本さん:建物が非常に大きいので、隣接する通りの回遊性を高めるための工夫が大事でした。そのため、あづま通りの延長に道路を通し、さらに銀座通りからも三原通りに通り抜けができる通路(銀座パサージュ)をつくっていただきました。

岡田:「ユニクロ」や「伊東屋」にも建物のなかに通り抜けられる道がありますよね。なるほど、街を行き来しやすいようにするための工夫なんだ。

小泉:通路にしなければもっと商品も置けるはずだけど。うーん、銀座で商売する人の心意気を感じます!

岡本さん:通り抜けだけではなく、路地を通りやすくする工夫が行われている場所もあります。名古屋商工会館さんのG4 BRICKS BLD.には「宝童稲荷」に続く参道をつくっていただきました。建物の面積を狭めても、にぎわいという点で利点ありと判断されたんでしょうね。

上野:「猿結参道」という名前なんですね。猿のオブジェがおもしろい!

岡田:ここを歩いてお参りすれば、素敵な紳士との縁にも恵まれちゃいそう〜。

小泉:それはどうかな……。

岡本さん:銀座はにぎわいの連続性を大事にしているので、公共性のある建物のつくり方もお願いしているんですよ。

上野:そういわれてみれば、「東急プラザ銀座」も数寄屋橋公園と調和していますね。

岡田:店内にもパブリックスペースがあったり、工夫されているんですね。

岡本さん:銀座には屋上を神社として開放している施設もあります。「ギンザコマツ」には、「三輪神社」があるんですよ。

上野:わー、こんなところに由緒正しい神社があるとは。心なしか空気が澄みきっている気がします。

岡本さん:最後は、3月に一旦営業を終了した「ソニービル」に行ってみましょう。ここは、地下部分を先につくって、地上部分は建物を建てるのを遅らせ、2020(平成32)年の秋まで公共スペースとして開放していただけることになっています。

岡田:2020年までに、銀座にはどんな建物がオープンするんですか?

岡本さん:1丁目のホテル西洋銀座の跡地に「コナミクリエイティブセンター」ができます。また、2020年以降になりますが、次世代型路面電車とよばれるBRTというバスシステムを誘致したいと考えています。さらには、銀座から臨海部への地下鉄構想もあります。

上野:銀座がますます便利になるわけですね。訪日外国人の観光の足としても利用されそう。

小泉:今回のリサーチで「志の積み重ね」が銀座をつくっていることがわかりました。この心意気が続くかぎり、銀座はますます発展するんですね。

岡本さん:はい、今後の銀座にもご期待ください!

(取材先情報)
銀座街づくり会議 銀座デザイン協議会
http://www.ginza-machidukuri.jp

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