トップページ > 特集 vol.47 日本と世界の税事情

世界のチョコレート事情

ここからは世界にも目を向けて、最近話題になっている税制度や変化についてご紹介します。健康志向のための税制度が世界的に広がっている……?

世界で一番消費税が高い国は福祉国家にあらず……

 日本では2019年10月に10%への引き上げが予定されている消費税。世界では現在、150カ国以上で消費税が導入されていますが、各国の税率はどの程度のものなのでしょう? 主な国の税率をまとめたのが以下の図です。

 中国を除けば日本はほかのアジア諸国と大きな差はありませんが、ほかの地域に目をやると、ヨーロッパ圏は世界のなかでも特に税率が高いことがわかります。
 世界一幸福度が高い国としておなじみのデンマークをはじめとする北欧の国々や、フランス、ドイツなど、高い消費税を課しているものの、福祉を充実させるなど国民に還元する仕組みが整えられている国がある一方で、税率27%と世界一税率が高いハンガリーは、政府が財政難に陥っているために国民がそれを負担する形となっているのが現状です。ちなみに、連邦国家であるアメリカは州単位で消費税を導入している珍しい国。50ある州の中で一番税率が高いのはテネシー州の9.46%で、逆に一番低いのは、デラウエア州、モンタナ州、ニューハンプシャー州、オレゴン州の0%となっています。

ソーダに税金が世界的ブーム!?

 そんなアメリカでいま話題になっているのが、ソーダ税の導入です。これは、糖分の多い炭酸飲料に対して税を課すもので、2015年にカリフォルニア州バークレー市が、1オンス(約30ミリリットル)当たり1セントの税金を課す同国初のソーダ税を施行。2016年には全米第5の大都市であるペンシルベニア州フィラデルフィア市でも導入に踏み切ったほか(施行は今年1月から)、カリフォルニア州サンフランシスコ、アルバニー、オークランド、イリノイ州シカゴ市クック郡、そしてコロラド州ボルダーでも導入が決まり、飲食業界を中心に大きな衝撃を与えています。
 ソーダ税は、生活習慣病や肥満など、健康を害す原因となる行為を抑えるSIN TAX(悪行税、罪悪税)とも呼ばれ、フランスでは2012年に施行され、メキシコなどでもすでに実施されているのだそう。WHO(世界保健機関)も、こうした税の導入で人々の健康被害を減少させることができるという見方を示しており、イギリスでは100ミリリットル当たり5グラム以上の糖分を含む飲料を課税対象にする、ソーダ税ならぬ砂糖税の導入を2018年に予定しています。

日本にもあったソーダ税

 日本でも戦後しばらくまで、炭酸飲料に税が課せられていました。これは1926(大正15)年に施行された清涼飲料税と呼ばれるもので、サイダーなどの炭酸ガスを含む飲料が課税対象だったそう。ただし、上記のソーダ税のように健康志向で導入されたものではなく、当時は高級嗜好品だったサイダーやジンジャーエールなどの消費拡大を受けて始まったもので、庶民の飲み物だったラムネは半分程度の税率に設定されていたといいます。

中東=税のない国は昔の話?

 冒頭のグラフでは登場することのなかった中東の国々。原油輸出による潤沢な収入があり、消費税や所得税なんてない国というイメージが根強いかもしれませんが、中東の税事情も変わりつつあるようです。サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)などのアラブ諸国では、新たな税金を導入する動きが相次いでいます。これは近年の原油安による財政悪化を受けたもので、例えばUAEでは特定の食品などは課税対象外とするものの、2018年に5%の消費税(付加価値税)を導入する方針を示しています。

イスラム諸国特有の税とは?

 UAEやサウジアラビア、クウェートなどが加盟するGCC(湾岸協力会議)諸国では、ザカートと呼ばれる喜捨税が存在します。これは、イスラム教の教えである喜捨(寄付)の精神に基づいた税制度で、一般的に2.5%程度の税が地場企業に課され、イスラム諸国の災害や貧困に対する支援のために使われているのだそう。

酒税の行方やいかに?

 寄付といえば、日本では2008年に始まったふるさと納税が依然注目を集めていますが、日本の税にまつわる最近のトピックは、酒税に関するものではないでしょうか。昨年末に閣議決定された税制改正大綱で、酒税全体の簡素化を図るために、ビール類、清酒やワインなどの醸造酒、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒といったように、酒の種類ごとに基本税率が定められていた酒税を、2020年から2026年の間に段階的に一本化することが決まりました。醸造酒については清酒を減税、ワインを増税することで一本化されますが、注目を集めているのがビール、発泡酒、第3のビールの税率の増減です。

発泡酒、第3のビールの優位性は……

 今回の改正で、2020年にビールの税額が70円(7円減税/350ミリリットル当たり。以下同)、第3のビールは37.8円(9.8円増税)、2023年にはビールが63.35円、第3のビールは発泡酒に統合され、2026年にはビール、発泡酒ともに54.25円で統一されることが決まりました。とはいえ、ドイツの約20倍、アメリカの約10倍と、日本のビール類の税率は世界一高額といわれており、改正後の税率もほかの酒税と比べるとまだまだ高いのが現状。ビールより低価格な発泡酒や第3のビールが増税されることで、それらの優位性も損なわれると考えられています。ビール類にまつわる税の話は、まだまだ一段落といかなそうですね……。


現代人の健康被害の減少を目指すソーダ税の登場など、人々の健康のためにも進化する税制度。税制改正による今後の取り組みの変化も、しっかりチェックしていきたいものですね(本記事の情報は2016年12月末時点のものです)

参考文献(順不同)

新井明著・泉美智子監修 『よくわかる税金』(PHP研究所)、『婦人之友 2014年7月号』(婦人之友社)、内閣府、国税庁、全国間税会総連合会、ビール酒造組合ホームページ、日本経済新聞、毎日新聞、東京新聞、産経新聞 等

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