トップページ > リサーチ隊[宇都宮の巨大地下神殿を探検]

今回の参加メンバー

  • 岡田 智佳子
  • 小泉 啓介
  • 上野 俊一

上野:そろそろ秋の行楽シーズンですね。どこか近場で、レジャーを楽しめるスポットってないかなぁ……。

小泉:おっ、それならいいところがあるぞ。じつは僕も以前から行ってみたいと思っていた場所なんだけど、「大谷石地下採掘場跡」っていう“関東の地下神殿”と呼ばれる神秘的なスポットがあるんだ。

岡田:私もそこの噂、耳にしたことがありますよ! なんでも、野球場がすっぽり入るほどの巨大な空間が広がっているとか……。非日常を味わいに、みんなで行ってみませんか?


上野:……というわけで、宇都宮に到着! 都内からなら車で2〜3時間、電車なら在来線で2時間、新幹線を使えば1時間もかからないんですね。

岡田:看板が見えてきた! 宇都宮市の大谷は「石の街」として知られていて、この一帯で採れる大谷石は大正時代から採掘が進められてきたんですって。街のあちこちに、石材屋さんが見られるわね。

小泉:本当だ。住居の塀や蔵にも大谷石が使われているみたいだな。なんだかよく分からない謎のオブジェもあるし……。石のテーマパークに迷い込んだみたい。

上野:ここが目的地の「大谷石地下採掘場跡」ですね! ……っていうか、周囲がものすごい断崖絶壁なんですけど、ここ、本当に日本ですか?

大谷資料館館長・鈴木さん:ようこそみなさん。この採石場跡は大正8年から昭和61年までの約70年にわたり、大谷石を掘り出してできたものです。地下はとても寒くなっていますので、薄着にはお気をつけくださいね。

岡田:いったいどんな空間が広がっているのかしら……さっそく潜入しましょう!


小泉:うおっ! 地下への階段から冷気がただよってくるぞ。「今日の坑内温度は12度」って書いてある。まるで冷蔵庫の中にいるみたいだ。

岡田:わぁー!これが地下なの⁉︎ なんて広い……そして尋常じゃない重厚感!

小泉:これは想像以上に迫力満点だなー! 床も階段も天井も柱も、すべてが石でできている。これ全部が、大きなひとつの大谷石を掘り出してできたもの!? スケールがデカすぎて頭が混乱しそう!

鈴木さん:ここでは昭和34年まで、ツルハシという手掘り道具で採石が行われていました。現在は機械やトラックが使われていますが、かつては切り出した石を1本ずつ人が背負って運んでいたんですよ。ここにある「五十石」というのが塀などに使われる基本のサイズで、これ1本でおよそ80kgあります。

上野:80kgの石を背負うなんて……
昔の人には頭が上がらないな。

岡田:ひぃっ! こ、こっちに誰かいる!

鈴木さん:これは手堀り時代の採掘の様子を再現した模型です。今は場内を明かりで照らしていますが、かつては小さなランタンだけで手元を照らし、1人1日50本ほどの五十石を切り出していました。作業の機械化が進んでからは、その10倍の生産量になったといわれています。

上野:何十年もかけて掘り進めてここまで広い空間になったのがよく分かるなぁ。おや? あそこの天井に穴が開いているのは何だろう?

鈴木さん:あれは作業中にどこまで掘り進めたか確認するための天窓です。地下にいると位置感覚が分からなくなって、隣の岩山まで進んでしまうことがありますからね。

岡田:確かに、窓も光もない地下で作業していたら、自分がどこにいるのか分からなくなりそう。私だったら不安で発狂するかも……。

小泉:それにしても、野球場一つがすっぽり入る大きさとは本当だな。こんなに広い空間が関東に眠っていたとは驚きだ。

鈴木さん:戦時中はここを飛行機製造の秘密基地として使っていたくらいですからね。現在はおもに映画やドラマの撮影に使われることが多いです。ロケ地巡りが好きなカップルがデートで訪れることも多いですよ。

岡田:へぇ〜!『るろうに剣心』や『ライアーゲーム』もここで撮影されたんですね。あっ、『三代目 J Soul Brothers』がミュージックビデオを撮影したとも書いてある! 今度作品を見なおしてみようっと。

鈴木さん:『仮面ライダー』シリーズなどの特撮モノもよく撮影されますね。薄暗い雰囲気が、敵が潜む“悪の巣窟”っぽく見えるようで……。牢屋になったり、ショッカーの基地になったり、ファンから見たら「おなじみの場所」かもしれません(笑)。

上野:本当だ。よく見渡したらドラマのセットがそのまま残ってるところがいくつかある。これはこれで、ちょっとシュールですね。

鈴木さん:坑内では結婚式を行うこともできます。今回は特別に、一般非公開の場所も案内しましょう!


岡田:わぁー、ここで結婚式が行われるんですか? 天井から差し込む外光が、すっごく神秘的……!

小泉:不思議とロマンチックに見えるねー。

上野:こっちは特に広い空間が広がっていますね。ライトアップも画になるな〜!

鈴木さん:壁についている線は五十石の幅と同じで、うっすらと波紋型の跡がついているところは、円板型ののこぎりで石を切り出していた時代の名残です。今はチェーンソーで削っているので、こういった跡は珍しいんですよ。

小泉:こっちは舞台のようになっているぞ。なるほど、ここでコンサートをしたり、展示会をしたり、色々な使われ方をしているのか〜。

上野:ちなみに鈴木さん、大谷石ってお値段はいかがなものなんでしょう……? やっぱり高価なんですか?

鈴木さん:五十石1本で数千円から1万円程度ですね。キメの細かい石ほど高価で、石板にして外壁や内装に使われることが多いです。一方、粗い石は強度があり使い勝手がいいので、墓石の周りや蔵などによく使われています。

岡田:そういえば、街中にもたくさんの蔵がありました!

鈴木さん:海底火山の噴火によって生まれた大谷石は「ゼオライト」という成分が豊富で、これが食品の保存に非常に良い働きをするんです。脱臭効果や放射性物質を吸収する作用があるので、大谷石の蔵にお米を置いておくと美味しくなるともいわれているんですよ。

小泉:へえ〜! そんなスゴイ効果まで!

鈴木さん:石の表面にうっすら白い結晶がついているのがゼオライトです。
その見た目から「石の華」と呼ばれているんです。真冬になると、もっと多く見られますよ。

上野:それにしても、想像を超える神秘的な地下神殿でしたね。気づいたらすっかり体も冷えているほど、夢中になってしまいました(笑)。鈴木さん、どうもありがとうございました!

鈴木さん:楽しんでいただけてよかったです。観光客の中には、石の魅力にハマってしまい、「ちょっとこのへん削らせてください!」なんて無茶を言う方もいるんですよ(笑)。残念ながらそれはできませんが、ミュージアムショップでは石のお土産も売っているので、よかったらのぞいてみてくださいね。

小泉:いや〜楽しかった。資料館では、坑内で見てきた採掘道具や、機械の変遷などが展示してあるね。あれほどのスケールを体感してから見ると、ますます石への興味が深まるな〜。今日をきっかけに石マニアへの道が開けそうだよ。


岡田:さて、せっかく宇都宮まで来たことだし、名物の「宇都宮餃子」も食べてから帰りませんか?

上野:いいですねー! 駅前のシンボル「餃子像」も僕らを歓迎しているみたいだし(笑)。餃子の食べ比べができる専門店があるみたいなので、名店の味を堪能しに行きましょう!

上野:ここ「来らっせ」は、宇都宮餃子の老舗が一堂に集まるお店なんですって。僕のお目当ての餃子もたくさん!

小泉:宇都宮餃子の代表格「宇都宮みんみん」に、羽根つき餃子の「めんめん」、創業50年の「香蘭」……どれも有名店だらけじゃないか! よし、全部ドーンと注文だ!

岡田:餃子の焼ける香りがたまらない〜! 宇都宮餃子は白菜などの野菜がたっぷりで、ひき肉やニンニクは控えめなのが特徴なのよね。たくさん食べても胃がもたれないし、ヘルシーなのも嬉しい♪

店員さん:お待たせしました〜。餃子の食べ比べセットと、ジャンボ餃子と、ゆず入り餃子、それからスープ餃子と、あとはえーっと……

一同:わーい! いただきます!

岡田:うーん! 皮はパリパリ、具はあっさりで食べやすい!「宇都宮みんみん」はホッとするやさしい味わいね。「龍門」は、餃子には珍しい玉ねぎの甘みが感じられる!

小泉:「さつき」のゆず餃子もさっぱりしていていい感じだ。「幸楽」も肉汁がジューシーでウマい!

上野:そば粉とそばの実を使った「美雪乃」の餃子も美味しいなー! 同じ宇都宮餃子でも、それぞれに個性が出ていて食べ比べ甲斐がありますね!

岡田:そのまま食べて素材の味を楽しむのもいいし、宇都宮餃子専用のたれをつけても美味しいわね。宇都宮餃子のたれは、酢とラー油がメインで醤油は少なめなんですって。

小泉:うん、何個でもパクパクいけちゃうな! 今回は宇都宮観光にどっぷり浸れて、大満足のリサーチになったよ。

上野:大谷石の採石場跡で非日常を味わうもよし、宇都宮餃子でお腹を満たすのもよし……! 何度訪れても楽しめること間違いないですね!

(取材先情報)
大谷資料館 栃木県宇都宮市大谷町909
http://www.oya909.co.jp

来らっせ 本店 宇都宮市馬場通り2-3-12 MEGAドン・キホーテ ラパーク宇都宮店地下1階
http://www.gyozakai.com/society/kirasse.html

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