日常生活のなかで使う機会の多い電卓ですが、みなさんは電卓ならではの便利な計算機能を使いこなしているでしょうか? テンキーのそばに並ぶGTやMRなどのキーの使い方を覚えてしまえば、お買い物や仕事のときにも正確に素早く計算が行えるようになるんです。今回は、一度覚えてしまえば使わずにはいられない、いまスグ使える電卓活用術を学んでいきます!
電卓には、テンキーや+ −などの四則演算キーだけでなく、さまざまな機能キーがあります。まずは、それぞれのキーの機能を確認してみましょう!
※電卓はメーカーによって操作方法やキーの配置が異なります。今回は、カシオ製の電卓をもとに説明します。
ここからは5つの例題をもとに、日常生活のなかで知っていると便利な電卓の使いこなし術を学んでいきましょう!
アメリカに海外旅行に行ったとき、4人の友人に次の代金のお土産を買いました。
Aさん…$30.26 Bさん…$45.28 Cさん…$26.00 Dさん…$14.35
1ドル115円として、それぞれの日本円の金額を確認しながら合計額も計算したいときは、次のように操作します。
4人のお土産代金に掛ける金額は「115」です。そこで、電卓の「定数計算」機能を使い、GTで日本円の総合計金額を出します。
①「115」を入力し×を2回押す。ディスプレイに定数である「K」が表示される。
②「30.26」を入力し、=を押すと、Aさんへのお土産代が日本円で表示される。
③続けて「45.28」を入力し、=を押すと、Bさんへのお土産代が日本円で表示される。
④続けて「26」を入力し、=を押すと、Cさんへのお土産代が日本円で表示される。
⑤続けて「14.35」を入力し、=を押すと、Dさんへのお土産代が日本円で表示される。
⑥GTを押すと、4人のお土産代金の総合計(13327.35)が表示され、日本円のお土産代金の合計が求められる。
・×を2回押すと、定数計算ができるので、何度も「115」を押す手間が省けます。
・GTは=したものを覚え、それまでの総合計を算出する機能です。そのため、メモをする作業を省くことができます。
スーパーマーケットでクラス会用のおやつを買いました。
まんじゅう…1個80円を12個、ケーキ…1個320円を9個、ゼリー…1個280円を14個
品数と金額の合計を同ときに計算したいときは、次のように操作します。
買い物の合計額を計算しつつ、品数の値も計算するためには、Mのメモリー機能とGTを併せて使うと便利です。
①12M+ ×80=で、まんじゅうの金額を出す。(960円)
②続けて9M+ ×320 =で、ケーキの金額を出す。(2880円)
③続けて14M+ ×280 =で、ゼリーの金額を出す。(3920円)
④合計額はGTを押して7760円、品物の合計数はMRを押して35個だとわかる
・Mのメモリー機能を使えば、メモをとらなくて済みます。それぞれの機能は次の通りです。
M+…直前の数値または計算結果をメモリーに足すときに押します。
M-…直前の数値または計算結果をメモリーから引くときに押します。
MRまたはRM…これまでのメモリー計算の結果を呼び出します。
MCまたはCM…これまでのメモリー計算の結果をクリアします。
MRCまたはRM/CM…MRとMCが一体になったタイプ。1度押すとメモリー内容を呼び出し、もう1度押すとクリアします。
灯油を買いに行ったら、「18ℓ 1542円」という表示がありました。手元に2000円しかないけれど、できるだけ多く買いたいときは、次のように操作します。
灯油の1ℓ当たりの量を割り出してから、2000円を単位量当たりで割る必要があります。こうした場合もMのメモリー機能が活躍します。
①1542÷18 =で、灯油1ℓ当たりの量を出す。(85.6666…円)
②85.6666…円をM+ でメモリーする。
③2000÷ MR =23.3463…が求められる。つまり、所持金で23ℓまで買えることがわかる。
・単位量当たりの数値は今回のように85.666…などのようになってしまうことがよくあり、もう一度入力するのが困難。このような場合、Mを使うと便利です。
・このほか、2つの単位量当たりの差を出したいときには、1つめの単位量当たりをM+ でメモリーして、2つめの単位量当たりを出した後に、- MRとすれば出てきます。
同僚のAさん、Bさん、Cさんはタクシーを相乗りして帰宅します。一番近いAさんが下車した時点の料金メーターは2400円、次にBさんが下車した時点では3800円、最後のCさんが下車して支払ったのは5200円でした。距離に応じて公平に割り算したいときには次のように操作します。
それぞれが降りた地点の合計分を出し、それをM+ でメモリー。実際に支払った5200円をその合計で割れば距離の単価が出るので、それぞれの地点の料金を掛けていきます。
①2400+3800+5200 =で、距離地点の合計を出す。(11400円)
②11400÷5200円=で距離の単価を出す。(2.192307…)
③出た答えをM+ でメモリーする。
④それぞれの地点で掛けると求められる。
Aさん 2400÷ MR =1095円(四捨五入)
Bさん 3800÷ MR =1733円(四捨五入)
Cさん 5200÷ MR =2372円(四捨五入)
石川さんは、銀行に定期預金することを検討しています。3年満期、年利率4%(1年複利)で100万円を定期預金した場合、3年後の複利終価(元利合計)はいくらになるか求めたいときは、次のように操作します。
定期預金の利息は、「複利」といって、一定期間ごとに利息を元金に組み入れ、それを次期の元金として計算するしくみをとっています。その計算方法はこちらです。
複利終価(元利合計)=元金×(1+利率)期間
これを今回の条件に当てはめると
100万円×(1+0.04)3=で求めることができます。
先にかっこの中の計算から始め、その後に定数を掛けるため×を2回、その後、3年分を=で出します。3年目が満期なので、100万円を掛ければいくらになるかわかります。
① 1+0.04× × (1.04)
② =1.0816
③ =1.124864
④ ×1000000= 1124864円
・満期の設定がない場合は=を押した分だけ、利子の合計が分かります。例えば、5年分だと5回となります。
1963年に世の中に登場してから半世紀のあいだで、電卓は小型化・多機能化を成し遂げ、いまではさまざまな用途に対応した電卓が登場しています。ひと口に電卓といっても、これだけの種類があるってご存じでしたか?
関数電卓……科学や工学などの分野で使われる電卓。さまざまな関数の計算が可能で、土地家屋調査士などの資格試験では、持ち込みが許可されていることも。
金融電卓……固定金利、段階金利のローン計算や、定期預金計算、積立預金計算、外貨預金計算など、金融に関するさまざまなシミュレーションを行えるのが特徴です。
実務電卓……経理や会計などの実務担当者を対象にした高品質な電卓。視認性、操作性に優れ、計算結果をチェックできる機能もあるなど、業務の効率アップに貢献しています。
土木測量専業電卓……土木測量の現場で使用される専業電卓。耐衝撃性能や防沫・防塵性能を備え、測量機器の計測データを取り込める機能なども搭載しています。

監修:大原簿記専門学校
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