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大相撲のトリビア

モンゴル以外ではどんな国出身の力士が土俵に上っている? アイドルやヒーロー由来のシコ名もある? などなど、大相撲のトリビアをご紹介。相撲ジャーナリスト・荒井太郎さんが語る、来年初場所の見所&注目力士もお見逃しなく!

11カ国から力士が集う国際競技

 前ページでご紹介した「横綱を輩出している地域」に裏付けられているように、いまの相撲界ではモンゴル勢の快進撃が続いていますが、ひと昔前は、小錦、曙、武蔵丸といったハワイ出身力士の活躍も目を見張るものがありました。日本人力士とはひと味違うキャラクターで、角界を盛り上げてくれる外国人力士。一体いま、どんな国から力士が集まっているのでしょう?
 平成27年11月現在、力士の出身地は日本を除くと11カ国!過去にはイギリス、チェコ、アルゼンチン、スリランカといった国出身の力士も活躍していたんです。ちなみに、次代の大関候補の一人として注目されている髙安は、日本とフィリピンのハーフ力士。ルーツであるフィリピンでは、大手テレビ局で本人のドキュメンタリー番組が放映され、何度も再放送されるほどの人気を集めているのだとか!

行司の仕事は土俵上だけにあらず?

 大相撲といえば、力士の取組をさばく「行司」や、土俵上で東西力士のシコ名を呼ぶ「呼出」の所作を見るのも楽しみのひとつではないでしょうか。
 テレビ中継ではなかなか全貌が見えない“職人”の仕事ですが、例えば行司は取組をさばくだけでなく、儀式の祭主を務める、番付を書く、取組の全結果を記録する、取組を決める編成会議の書記を務める、といった仕事から、相撲部屋の冠婚葬祭の仕切り、飛行機・バスの手配まで、多岐にわたるんです。
 ちなみに、行司はスポーツの主審のように勝敗を決める最終権限は持っていません。その責任は勝負審判として土俵下に控えている親方たちにあり、「物言い」がついた場合、行司は意見こそ述べられるものの、最終判定は協議の上、審判長が下すというわけなんです。

自分で好きな名の申請もOK? 力士の名乗り=シコ名の秘密

 力士の名乗りである「シコ名」。名付けについては、親方や後援会などの関係者が相談して決めたり、自分が好きな名をお願いしたりするケースなどさまざまです。実は、日本相撲協会で厳密なルールは設けられておらず、改名届を提出して番付編成会議で認定されれば、正式なシコ名となるのだそう。
 シコ名は親方・先輩のシコ名や部屋の伝統を受け継いだり、自然現象や郷里の名勝を由来にしたりするものが一般的。例えば元横綱朝青龍のシコ名は、親方の現役時のシコ名「朝潮」と、相撲留学していた高知県の明徳義塾高校近くにあるお寺(青龍寺)に由来しています。
 初のアフリカ出身力士として人気を集める大砂嵐は、「シャーラン」という自身のエジプト名の当て字に、親方の現役時のシコ名「大竜」を組み合わせたもの。「大」「シャ=砂」「ラン=嵐」を合わせて「大砂嵐」となったのです。

シコ名のなかには“キラキラシコ名”と呼べるようなユニークなシコ名もあるんです。現役・過去の珍シコ名をご紹介!

桃智桜五郎丸(ももちざくら・ごろうまる)

式秀部屋の現役力士。本人がアイドルユニット・Berryz工房の嗣永桃子、愛称「ももち」のファンであることが由来なのだそう。


宇瑠虎太郎(うるとら・たろう)

こちらも式秀部屋の力士。「ウルトラマンタロウ」にちなんでおり、「3分間土俵で動き回ってほしい」という想いがこめられているといいます。


右肩上り博保(みぎかたあがり・ひろやす)

大嶽部屋の現役力士・電山が近年まで名乗っていたシコ名。平成21年に「景気も成績も右肩上がりに」と考えた大嶽親方が命名したものです。


小猫三毛蔵(こねこ・みけぞう)

こちらは戦後に実在した力士の名。小猫のように土俵を俊敏に動き回っていたのかもしれませんね。


自動車早太郎(じどうしゃ・はやたろう)

明治時代の力士で詳細はわからないものの、一度聞いたら忘れられないシコ名のひとつ。モータリゼーション黎明期に、自動車の早さや力強さにあやかったのでしょうか?

相撲ジャーナリスト荒井太郎さんに伺いました!来年初場所の注目力士

前ページで過去の名勝負をセレクトしてくれた荒井太郎さんに、2016年1月場所の優勝争いや注目の力士についても伺ってみました!

 今年の11月場所は横綱・日馬富士の2年ぶりの優勝に終わりましたが、来年初場所は、日馬富士に白鵬といった横綱勢に、大関・稀勢の里がどこまで絡んでくるかというところが見所ではないでしょうか。同じく大関の照ノ富士も右膝の負傷(右膝前十字靱帯損傷)がうまく回復すれば、優勝争いに食い込める可能性があると思います。
 注目力士といえば、怪我もあって低迷していた勢(前頭四枚目)です。11月場所は12勝3敗と、力をつけて戻ってきた感があります。来場所はおおらく小結に返り咲くでしょうし、横綱や大関陣と当たるなかで、力強い相撲を期待したいです。また、十両優勝を果たした正代(十両五枚目)。強い力士と対戦するときも、立合いで胸から当たり、もろ差しから一気に攻めることができる。巻き替えのタイミングも良く素早いですから、新入幕となっても2桁はいけるのではないでしょうか。それに、33歳の小結・嘉風です。11月場所は返り小結で勝ち越し、来場所の新関脇は濃厚。彼は上位陣にとって嫌な相手で、懐に入れるとうるさいですから、嘉風に足元を掬われた人が優勝戦線から脱落していく。そのくらいの鍵を握っていると思います。

(取材は2015年11月28日に実施)


冬巡業も終わり、2016年の初場所は1月10日(日)から。テレビ・ラジオ中継で楽しむもよし、国技館に足を運んでみるもよし。力士たちの熱戦に今後も期待したいですね!
※力士の番付など、今回掲載した情報は2015年11月28日現在のものです。

取材協力:荒井 太郎 さん/相撲ジャーナリスト 1967年生まれ。幼少の頃から大相撲に親しみ、現在は相撲ジャーナリストとして相撲専門誌「相撲」(ベースボール・マガジン社)「NHK大相撲ジャーナル」(アプリスタイル)などに寄稿・連載。今年1月に創刊した「相撲ファン」(大空出版)では監修を務めている。主な著書に「歴史 ポケットスポーツ新聞 相撲」「歴史 ポケットスポーツ新聞 プロレス」(ともに大空ポケット文庫)、「大相撲あるある」(新紀元社)、「大相撲事件史」(長崎出版)など。

参考文献(順不同) 荒井太郎「歴史 ポケットスポーツ新聞 相撲」(大空ポケット新書)/荒井太郎・著 琴剣淳弥・漫画「大相撲あるある」(新紀元社)/新田一郎・著 曽根愛・イラスト「相撲のひみつ」(朝日出版社)/金指基・原著 公益財団法人日本相撲協会・監修「相撲大事典 第四版」(現代書館)/「1945-2015 大相撲『戦後70年史』」(ベースボール・マガジン社) 等

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