食欲の秋、読書の秋、芸術の秋など、秋はいろいろなことに意欲がわいてくる季節。とはいえ、日頃の疲れが残っていてはやる気もなかなか起きません。そこで今回は、疲れをお手軽に解消できる足つぼマッサージ法を、リフレクソロジストの與那嶺茂人さんに教えてもらいました。
私たちの足の裏には、人間の胃や腸などの各器官の末梢神経が集まっています。そのため、足の裏を刺激すると神経のつながりによって、それぞれの臓器が活性化します。このことから、足の裏のつぼを「反射区」と呼びます。
反射区は人間の臓器と同じ配置で、上(指先)が脳、下(かかと側)が生殖器になっていて、体を半分にして右半身の器官が右足、左半身の器官が左足になっています。ただし、首から上は神経が交差しているので、頭部は右脳が左足、左脳が右足に対応しています。不調を感じたときは、表を見て、つぼを押してみましょう。

バスタオルを敷いた床の上にゴルフボールを置き、足をのせ、足裏全体に転がすようにゴロゴロとマッサージして、足裏全体をほぐします。疲れていると、痛みを感じます。痛みのある部分の臓器が良くない証拠です。時間のないときは、これだけでも足つぼの効果があります。
ハンドクリームやボディクリームを足裏と指に塗ってから行います。

食欲不振のときは、土踏まずにある胃のつぼを刺激。指の第一関節か親指の腹で、胃のつぼを下から上または上から下にすべらせながら指圧。左右両方を各2分程度、イタ気持ちいいくらい押します。

下痢・便秘の場合は、いずれも腸のつぼを刺激。小腸や大腸の各つぼの辺りを指の第一関節か親指の腹で上から下または下から上にすべらせて刺激してから、かかと側にある直腸と肛門のつぼを重点的に各2分程度押します。

最後に直腸筋の反射区を親指ですべらせて刺激すると、より効果的です。

倦怠感を感じるのは自律神経がうまく働いていない可能性も。このようなときは、肝臓や腹腔神経叢の辺りのつぼをゴルフボールで広範囲に、2分程度刺激します。

冷えを感じたら、心臓と肝臓のつぼを刺激。まず、左右に分かれた心臓と肝臓のつぼ①を指の第一関節か親指の腹で上から下にすべらせて刺激します。また、冷えると末端である指先が最も血流が悪くなりますので、指先②をほぐすように押します。2分程度やると、ぽかぽかと体が温まるのを感じます。

太ってきたと感じたら、代謝に関わる甲状腺と脳下垂体のつぼを刺激。指の第一関節か親指の腹で甲状腺のつぼ①をぐるりと刺激したあと、脳下垂体のつぼ②を2分程度押すことで、やせやすい体に導きます。
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体内には、血液をとおして酸素と栄養が供給され、供給先で老廃物を回収するしくみがあります。このとき、大きなポンプの役目を果たしているのが心臓ですが、足の裏はちょうど動脈と静脈の折り返し地点にあたることから、もうひとつの重要通過ポイントになるのです。このことから、足の裏は「第二の心臓」とも呼ばれています。
本来は、凸凹の道を歩くことで足裏が刺激され、血液もうまく循環するのですが、靴を履いて舗装された道路を歩く現代の生活では、うまく刺激がされず、老廃物がたまって疲れの原因にもなります。
また、各器官の末梢神経が集まっていることもあり、足つぼを刺激するとそれぞれの臓器が活性化します。積極的に生活に足つぼマッサージを取り入れることで、健康的な毎日を送ることができるのです。
- 足つぼの刺激は血流をよくし、老廃物を流す効果があるため、毎日やってもOKです。ただし食後は、食べ物の消化のため胃に血液を集めたいので、血液を分散させないためにも、避けてください。食後以外なら、1日のうちいつ行ってもよいですが、お風呂上がりは足の裏が柔らかくなっているので、とくにおすすめです。

監修:與那嶺 茂人 さん
リフレクソロジスト/東京の浜松町・新宿・神田・新橋・池袋に店舗を構える足のトータルクリニック「ドクターフット」の副院長兼「ドクターフットアカデミー」の講師として活躍。テレビや雑誌などのメディアにも多数出演している。
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