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普通列車に新幹線が追い抜かれた? 新幹線のトリビア

高速走行が自慢の新幹線は、開業当日、普通列車に追い抜かれたのだそう……。鉄道ファンに語り継がれるエピソードの真相とは? 新幹線のトリビア、スタートです!

新幹線が山手線に追い抜かれた、 その真相とは?

 みなさんは東海道新幹線開業日に、上り一番列車の新大阪発東京行き「ひかり2号」が普通列車の山手線に追い抜かれたというエピソードをご存じですか?
 開業日当日の「ひかり2号」は、安全性の観点から最高時速160kmで定刻通りに運行できるように設定されていました。しかし、「夢の超特急」を期待する乗客の思いに応えるため、時速210km運転を想定外の距離で実施したのだそう。その結果、東京駅に定刻よりも早く着きそうになり、東京・田町駅付近から徐行運転を行っているあいだに山手線に追い越されてしまったのです。鉄道ファンには定番ネタとして知られていましたが、このエピソードには長らくひとつの謎がありました。それは、どうやって時速210km運転を実現したのか、ということ。
 真相が明らかになったのは、2014年10月。東海道新幹線開業50周年を記念して行われたイベントに登場した当時の運転士の口から、その方法が語られました。「ひかり2号」の運転士を務めた大石和太郎さんによると、滋賀の米原を過ぎたところにある長いトンネル内で限界まで新幹線を減速し、トンネルを出た途端に「回復運転」を実行したのだそう。ほかのトンネルでも緩急をつけた運転を行うことで、時速210kmを実現。当時の0系新幹線にはビュッフェに速度計が設置されており、客席からは大歓声が上がったといいます。

東海道新幹線に食い込んだビルがある!?

 お次は、東京・新橋駅付近にある不思議なビルの話。実はそのビル、東海道新幹線の高架橋に食い込んでしまっているんです!
 どうしてそんなことになってしまったのか……。当時の事情を知る人の話によると、新幹線開業以前の新橋駅付近の土地はある企業が所有しており、東海道新幹線建設に賛同し、かなりの土地を提供したのだそう。しかしどうしても移転できないビルがあり、打開策としてそのビルに食い込むような形で新幹線の高架橋を建設したといいます。
 「新幹線がビルに食い込んできた」というのが本当の経緯なのですが、ビルの外壁修理時などには、安全性の問題からJR東海の許可が必要で、管理・維持するのも大変なんだそう……。

魔法のほうき? 色違いのクロス? 清掃スタッフを支えるこだわりグッズ

 東京駅に乗り入れる新幹線の折り返し時間は、列車がホームに到着してから乗客が降車する時間も含めて最短で12分。そのわずかな時間で車内をピカピカに清掃するのが、世界に名を轟かす「新幹線メンテナンス東海」の車内清掃チームです。時間との戦いを常に強いられる清掃スタッフを支える、こだわりグッズの一部をご紹介!

 こうしたグッズを活用しながら、清掃スタッフは座席のテーブルを拭き、枕カバーもすべて交換。床やトイレの清掃なども入念に行い、新幹線を送り出しているんです!

目撃すれば幸せになれる? 幸せの黄色い新幹線

 1カ月に数回程度しか走らず、ボディカラーが黄色で統一されていることから、「目撃すれば幸せになれる……」とウワサされる新幹線があります。その名も「ドクターイエロー」。近年、鉄道ファンのあいだで人気が高まっているというこの新幹線は、「新幹線のお医者さん」なんです。
 ドクターイエローの正式名称は「新幹線電気軌道総合試験車」。最高時速270kmで走行しながら、線路(軌道)や電気を供給する架線、信号などの設備の点検を行っています。例えば線路の点検では、上下で6mm以上、左右で4mm以上のズレが見つかっただけで、10日以内に修繕を行うという徹底ぶり! ドクターイエローの活躍で、私たちは安心して新幹線を利用することができるんですね。

暗闇の中で一体なにが…… 上越新幹線、スピードダウンの怪

 上越新幹線の最高時速は240km。東京〜新潟間を約2時間で結ぶ高速走行が自慢ですが、群馬の高崎駅を通過したあとに入るトンネル内で、かなりの減速を行っていることにお気づきの人はいるでしょうか?
 これは「スピードを落としてダイヤを調整している」のではなく、高崎〜上毛高原間にある中山トンネルのS字カーブを安全に曲がるために、時速160kmの速度制限が設けられているからなんです。
 新幹線が走行するトンネルは基本的にまっすぐに建設されるもの。しかし、1972年から始まった中山トンネルの工事において、大規模な出水事故が2度発生し、特例として湧水地帯を迂回する措置が取られたのだそう。
 もちろん、中山トンネル工事前にも入念な地質調査は行われていましたが、この迂回措置を教訓に、さらに慎重な地質調査が行われるようになり、日本のトンネル掘削技術は大幅に向上したといわれています。上越新幹線に乗車する際には、隠れた土木遺産ともいえるS字カーブを体感してみては?

北陸新幹線「かがやき」は33年ぶりの「光系」列車!

 3月に開業する北陸新幹線では、「かがやき」「はくたか」「つるぎ」「あさま」の4タイプの列車が運行します。なかでも東京〜金沢間を最速で結ぶ「かがやき」は、1988年に金沢〜長岡間で誕生した特急列車につけられていた名前。上越新幹線で採用されていた「あさひ」以来、実に33年ぶりにつけられる「光系」の新幹線名なんです!
 「こまち」「とき」「さくら」「たにがわ」など、現在の新幹線の名前は多種多様ですが、高速走行を売りにする新幹線には、光系をはじめ、「こだま」「やまびこ」といった「音系」の名前がつけられることが多かったといいます。
 ちなみに、1992年にデビューした東海道・山陽新幹線「のぞみ」の命名には、作家・阿川佐和子さんと、その父・阿川弘之さんが関わっています。新車両の名前を決める有識者会議に出席した阿川佐和子さんは、「日本の列車名はすべて大和言葉でつけられてきた」という阿川弘之さんのアドバイスをもとに、最終候補で残っていた「きぼう」を「大和言葉にすると『のぞみ』になりますね」と発言したのだそう。ご本人は「何気なくつぶやいた」そうですが、そのひと言がきっかけで、「ひかり」より速い新幹線として話題になった「のぞみ」が誕生したのです。


格安航空会社の充実も手伝って、いまでは長距離を移動するなら飛行機が主流かもしれません。しかし、新幹線は飛行機以上に乗客を乗せられる、保安検査などのタイムロスがない、何よりも世界に誇る安全神話を築き上げた長距離輸送のチャンピオン! 最新技術の粋を集めた新幹線を、ぜひこれからも楽しんでください。

取材協力:杉山 淳一 さん/フリーライター 1967年東京都生まれ。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。1989年、アスキーに入社し、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとして独立し、PCゲームやフリーソフトウェア、鉄道分野などで活動。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師を務める。ウェブメディア「誠Style」で「杉山淳一の +R Style」、「マイナビニュース」で「鉄道トリビア」を連載中。主な著書に『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。
公式サイト「OFFICE THREE TREES」:http://sugisugi.net/ott/
ブログ「すぎやまの日々」:http://www.sugiyama.jpn.org/ 「汽車旅のしおり」:http://kishatabi.jpn.org/

参考文献 杉山淳一『鉄道トリビア』(マイナビ)/NHK BS「まるごと新幹線」制作班編『NHK BS まるごと新幹線 夢の超特急の50年』(宝島社)/『週刊ダイヤモンド』2014年9月20日号(ダイヤモンド社)/その他、JR各社の公式ホームページなど

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