仕事の効率を高める“昼寝のコツ”

vol.86

ただ寝ればいいわけではない?
仕事の効率を高める“昼寝のコツ”

ビジネスの効率アップに期待できると注目されている「昼寝」。GoogleやApple、Microsoftといった世界の一流企業が導入しているという話には説得力がありますが、「注意点もいくつかある」とは、睡眠専門科医の坪田聡先生。ビジネスパーソンのための昼寝のコツとは?

正しい昼寝の基礎知識

現代のビジネスマンに昼寝が有効な理由とは?

日本人は欧米人にくらべて睡眠時間が少ないことがわかっています。製薬会社のサノフィ・アベンティス社(現・サノフィ)の調べによると、アメリカ人やフランス人の平均睡眠時間が7時間だったのに対し、日本人は6.5時間。30分も短いことがわかりました。さらに、睡眠に不満を抱えている人も多く、寝酒に頼っている人も。睡眠の導入をお酒に頼ると、実は睡眠の質が低下します。これでは当然のことながら、昼間のパフォーマンスも低下します。こうした場合に力を発揮するのが、昼寝。アメリカの企業で導入されていますが、日本人にこそ、昼寝はおすすめなのです。

昼寝をした方がいいのは、どんな人?

1日の睡眠時間は、6〜8時間とるのが理想とされています。時間に幅があるのは、睡眠の状態に個人差があるためです。ただ、次のような状態にある場合は、夜の睡眠に満足できていない可能性も。昼寝をとって睡眠不足を解消するのがおすすめです。

仕事に体に好影響! 昼寝のメリット

merit1 午後の仕事のパフォーマンスがアップ

昼寝をすることで眠気が解消され、仕事の能率がアップします。もちろん集中力も高まりやすく、ミスも減るでしょう。頭を使う仕事の人はアイデアが浮かびますし、体を使う仕事の人は動きがよくなります。


merit2 アルツハイマー型認知症の予防に

睡眠と認知症は一見、関係なさそうですが、実は相関関係があるそうです。毎日、1時間以上の昼寝をとっている人はとっていない人にくらべて認知症になる確率が2倍になります。逆に、毎日30分以内の昼寝をとっていると認知症のリスクを5分の1に減らせるそうです。適度な昼寝は認知症のリスクを減らします。

※出典:Asada T, et al. Associations between retrospectively recalled napping behavior and later development of Alzheimer's disease: association with APOE genotypes. Sleep. 2000; 23: 629-34


merit3 生活習慣病のリスクを減らせる

慢性的な睡眠不足は、体にさまざまな悪影響を及ぼします。ホルモンバランスや自律神経の乱れといった不調をはじめ、糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病をも招くといわれているほど。足りない睡眠を昼寝で補えば、そうしたリスクを減らせます。

昼寝がパフォーマンスをアップさせるメカニズム

私たちは普段、夜寝て朝起きる習慣があります。これは、眠気の最大のピークが午前2〜4時に起きるからです。しかし、実は眠気のピークはもう1回あって、それが午後2〜4時の間。自然な眠気には逆らわない方がよいため、この時間に20分程度昼寝をするのがおすすめです。また、夜の睡眠不足を抱えている人が昼の眠気も抱えると、二重の眠気を背負うことになります。夜に睡眠不足を感じている人ほど昼寝をするのがよいでしょう。

正しく昼寝を実践しよう!

基本編

時間帯は午後4時まで。週何日でもOK!

昼寝をする時間帯は、日中の眠気のピークである午後2〜4時に行うのがベスト。とはいえ、実際にはお昼休みに実践するのが現実的です。そのため午後1時前後でも問題ありません。時間は、20分程度におさめます。人間は30分以上眠ってしまうと深い眠りに入ってしまい、パチっと目覚められなくなるからです。昼寝をするのは、毎日でもOK。寝られるときに実践しましょう。

午後4時以降の居眠りは逆効果!/

いくら疲れたからといって、午後4時以降に寝てしまうのはNG。中途半端な時間に寝ると、肝心な夜に寝付けず、逆に睡眠不足になってしまうからです。もし、帰宅時間などに電車で眠くなっても、10分程度の居眠りにとどめておきましょう。

時間別・おすすめ昼寝の3種類
1.パワーナップ[20分程度]

昼寝の基本となる時間は20分です。アメリカの企業で推奨されているのもこのパワーナップ。昼休みの1時間を利用して、20分確保して実践してみましょう。驚くほど、午後からの仕事がはかどるのがわかります。

2.ミニナップ[10分程度]

パワーナップをとるまでの時間がないときは、9分以上ミニナップで昼寝を。これだけでも脳の疲れが落ち着いて、以降の作業効率がアップすると報告されています。移動の電車などでも実践できます。

3.マイクロナップ[1分程度]

いよいよ昼寝する時間がないときは、1分でも目を閉じてふっと寝落ちしてみましょう。これだけでも、目や脳が休まり、すっきりするのが実感できるはずです。デスクやトイレ、電車の中など、座ったままで大丈夫です。

応用編

完全に横にならず、座った体勢でOK/

昼寝をするときは完全に横になるのではなく、座った体勢がベター。横になって寝ると、熟睡してしまう可能性があるからです。昼寝はちゃんと短時間で起きられることも大切なポイント。椅子に座って机に伏したり、背もたれに寄りかかったりして寝ます。車の場合、リクライニングを倒すのは120度までに。それ以上倒さないようにしましょう。

ネックピローやタオルを用意し、ネクタイを緩めリラックス

昼寝するときは静かな環境の場所へ移動し、ネクタイをゆるめたり、時計を外したりして、なるべくリラックスできる環境を整えます。もし可能なら、机に伏すときはタオルを枕がわりに、背もたれに寄りかかるときはネックピローで首の負担を軽くするとベターです。

おすすめは食後にカフェインを飲んでから

昼寝でパチっと目覚めるためにおすすめなのが、寝る前にコーヒーなどのカフェインをとること。カフェインは覚醒効果がありますが、飲んで吸収されるまでに大体20〜30分程度かかるもの。ちょうど起きる時間に目覚めさせてくれる作用が期待できます。ランチタイム後にコーヒーを飲んで昼寝するのは理想のコースです。

column

ホリデーナップで慢性的な睡眠不足を解消!

休日の朝に寝だめして、平日の睡眠不足解消にあてている人がいますが、これはNG。体内時計のリズムが狂ってしまうため、朝は平日の起床時刻の2時間以内には起きましょう。その代わりに実践してほしいのが、「ホリデーナップ」。朝ではなく、12〜15時の間に1時間30分程度、昼寝してみてください。1時間30分という時間はレム睡眠とノンレム睡眠が自然にとれるベストな時間。朝寝坊ではなく、昼寝をして平日の寝不足を解消しましょう。

監修:坪田 聡先生

睡眠専門医、雨晴クリニック副院長/クリニックで睡眠障害などの診療をする一方、ビジネスコーチとしても活躍。睡眠の質を改善しつつ、行動に成果が出るように導いている。インターネット上でも睡眠アドバイスを行っている。睡眠にまつわる著書もある。

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