宇宙生活のトリビア

地上から約400km離れた宇宙空間に展開されている巨大な有人施設、ISS=国際宇宙ステーション。宇宙空間を活用した実験が日々行われている場では、肉の生産まで計画されているとか……? ISSや最新の宇宙船、宇宙での生活にまつわるトリビアをご紹介します。

宇宙ステーションを一国で建造する時代に?

競争から協調の時代となり、国家を超えて宇宙開発が進められている現在。その拠点となっているのがISS=国際宇宙ステーションです。1980年代半ば、レーガン米大統領が発表したフリーダム計画の一部が引き継がれ、アメリカ、日本、カナダ、欧州が参加してスタートしたISS計画は、旧ソ連が崩壊するとロシアも参加を表明。1998年から始まった建造は約13年間でほぼ完成し、現在は15カ国(ブラジルも参加国と見なすと16カ国)が計画に参加。3,600人以上もの研究者が宇宙実験に関わり、宇宙探査から科学研究、さらには教育活動まで、その実験数は2,500件を超えるといいます。
一方、アメリカ、ロシアに後塵を拝していたもう1つの大国である中国も、近年は宇宙開発で目覚ましい進化を遂げています。2003年にアメリカ、ロシア以外で初めて独自で有人宇宙飛行に成功した中国は、2011年9月29日、宇宙ステーションの中核となるコアモジュールの実験機・天宮1号の打ち上げに成功。改良型の天宮2号では有人運用も実現し、2022年の“フル稼働”に向けてCSS=中国宇宙ステーションの開発が進められているんです。

新世代シャトルの活躍も間近?

ISSに人員や物資を送るために欠かせない宇宙船。なかでも、1981年に運用が始まったスペースシャトルは、5機(チャレンジャー号は打ち上げ直後に爆発)によって計135回、延べ852人もの宇宙飛行士を乗せてミッションを行い、ISSの建造や人員、物資の補給に活躍しました。
再利用可能な宇宙船として誕生したスペースシャトルは2011年に引退したものの、現在は新世代シャトルともいえる宇宙船の開発が進められています。例えば、民間宇宙ベンチャーのスペースX社がNASAから承認を受けて開発中のスターシップ/スーパー・ヘビーは、将来的に最大100人を運べるように設計されている再利用可能な大型宇宙船。これとは逆に、民間のシエラ・ネバダ・コーポレーションが開発しているドリーム・チェイサーや、アメリカ空軍によるX-37Bは、スペースシャトルの4分の1ほどの大きさで、外観もシャトルをそのまま小さくしたようなデザインが特徴です。飛行機のような翼があり、地球に戻る際は自力で着陸できる宇宙船として、物資や人員輸送で活躍することが期待されています。

ロシアにもシャトルがあった!!

過去には宇宙開発でしのぎを削っていた旧ソ連も、スペースシャトルとよく似た機体を製造していました。ブラン(吹雪)という名の宇宙船は1988年11月15日に打ち上げられ、地球を周回することに成功。本家アメリカとの大きな違いは、無人飛行を想定して開発されたことです。ソ連の崩壊でフライトは1度きりで、計画自体が途絶えてしまったものの、もし開発が続けられていたらどうなっていたことでしょう?

グローブだけでウン百万!

人類が宇宙で生活するときに欠かせないものといえば、過酷な宇宙空間から身を守ってくれる宇宙服です。太陽の光によってプラス100℃以上になれば、逆にマイナス100℃以下になることもある宇宙で、内部の温度や湿度、気圧などを一定に保つように設計された宇宙服は、船外活動時の安定した交信や、細かいところでは汗をかいてもヘルメットが曇らないような冷却システム、水分や栄養補助食を補給できる機能も搭載。微小小隕石にも耐えうるように何層にもなっていて、重さは100kg以上にもなるといいます。
驚きなのが、アメリカの宇宙服は職人により手縫いでつくられていること。多層構造のため、機械でうまく縫い合わせることが難しく、スペースシャトル用に開発された船外活動用の宇宙服の値段は約1億円。生命維持装置も含めれば10億円以上で、グローブだけでも200万円はくだらないとか。2024年までに男女の宇宙飛行士を月面に送ることを計画しているNASAでは新しい宇宙服を開発中で、制約が多かった従来の宇宙服と違って動きやすさと柔軟性を追求し、月面で膝を曲げて歩いたり、指や腕も自由に動かせるようになるといいます。

宇宙でステーキが食べられる時代に!

このページの最後は、地上でも宇宙空間でも生きる上で欠かせない食べ物のエピソードを。ひと口サイズの固形食や練り歯磨きのチューブに似た容器でクリーム状、ゼリー状の食べ物を摂取していた黎明期を経て、1960年代の終わり頃にはお湯や水を使って食品を戻し、スプーンで食べたりと食事環境が向上しました。今では新鮮な果物や野菜から、デザートのアイスクリームまで、地上の食事に近いものが味わえるようになっているそうです。
また、近ごろ話題になったのが、“肉”まで宇宙で生産してしまおうという取り組み。ISSではこれまでもロメインレタスが栽培されていましたが、2019年9月下旬、イスラエルのスタートアップ企業であるアレフ・ファームズが、牛の細胞を使い、3Dバイオプリンタで培養肉を生成することに成功。今後も牛肉の歯ごたえや風味を再現することを目指しているといいます。月を周回する宇宙ステーションを建造するゲートウェイ計画では、宇宙ステーション内でレタス、イチゴ、人参、じゃがいもなどが栽培できるスペース・ガーデンの設置が検討されており、宇宙空間での食事はますます充実したものになっていきそうです。


ゲートウェイ計画がもし実現すれば、月を周回する宇宙ステーションを拠点にした有人火星探査の可能性も高まるといわれています。一方で、今では民間にも宇宙旅行が開かれ、ヴァージン・ギャラクティックが販売した25万ドルのチケットは完売し、600人以上が地球を飛び立つ日を待っています。現在までに宇宙に渡った人間は600人弱ですが、それをはるかに超える人々が宇宙から青い地球を見下ろす日が来るのもそう遠くはなさそうです。

参考文献(順不同)
渡辺勝巳、JAXA(宇宙航空研究開発機構)『完全図解・宇宙手帳―世界の宇宙開発活動「全記録」』(講談社)/若田光一『国際宇宙ステーションとはなにか―仕組みと宇宙飛行士の仕事』(同)/中冨信夫『クイズ 宇宙旅行―逃げる宇宙船に追いつくにはどう操縦する?』(同)/佐伯和人『世界はなぜ月をめざすのか』(同)/『宇宙プロジェクトがまるごとわかる本』(エイ出版社)/『ナショナル ジオグラフィック日本版 2019年7月号』(日経ナショナルジオグラフィック社)/『日経サイエンス 2019年8月号』(日本経済新聞出版社)/JAXA(ホームページ)/Wired(同)/朝日新聞(同)/BUSINESS INSIDER JAPAN(同)/Forbes JAPAN(同) 等

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