温泉のトリビア

日本の伝統的な温泉旅館といえば、書院造りや数寄屋造りといった伝統的な木造建築が魅力ですが、海外では劇場やカジノを併設したリゾートのような温泉地も珍しくなかったとか。ここでは国内外の温泉にまつわるトリビアをご紹介します!

温泉地で観劇やギャンブルも!?

映画化もされて人気を博したマンガ『テルマエ・ロマエ』でも描かれていたように、古代ローマ人も日本人同様、温泉が大好きでした。イギリスのバース、ドイツのバーデン・バーデンやウィスバーデン、フランスのエクスレバンなど現在も知られる温泉地は、彼らがヨーロッパ各地に領土を拡大する中で発見したものだといいます。
ローマ帝国が崩壊すると温泉地も次第に荒廃していきますが、イギリスのバースは17世紀の王政復古後、王侯貴族や商人などの社交の場として発展し、18世紀末にはイギリス各地で数多くの保養温泉地がつくられました。一方、ドイツのバーデン・バーデンは19世紀前半に保養地として発展し、劇場やカジノが併設され、国際的な競馬大会も行われるほど栄えたとか。ドイツでは温泉医学の研究も進み、飲泉療法を実践できる豪華な飲泉館も誕生しました。
この飲泉療法は古来ヨーロッパで盛んで、塩分濃度の異なる“温泉蛇口”が並び、湯治に訪れた温泉客がそれを飲んで療養する温泉医療施設もあるほど。温泉地には温泉医学に通じた専門医が常駐し、彼らの処方によって新鮮な温泉水を飲むのだそう。近年は日本でも温泉医学の知識を持った医師の育成が進められ、少しずつ飲泉も認知され始めていますが、ところ変われば温泉との関わり合い方もさまざまなんですね。

トルコの温泉と縁深い生き物といえば

皮膚の古い角質層を食べてくれる魚として、日帰り温泉などでよく見かけるドクターフィッシュ(ガラ・ルファ)。このコイ科の熱帯魚は、実はトルコの温泉地などに生息しているものなんです。温泉では藻やプランクトンが育たず、餌となるものが十分でないため、温泉を訪れた人間の角質を食べるようになり、これが皮膚病や神経痛の治療に効果があることから評判になったそう。通常の熱帯魚が生息できる水温よりも高い環境で生きていける適応力の高さが、今日の活躍につながっているようです。

日本と縁深いあの温泉大国

海外といえば、人気の旅行先である台湾も日本と並ぶ温泉大国です。台湾で初めて温泉が発見されたのは1894年だとされています。その後、日本の統治下に入った1896年に、首都・台北市近くの北投に台湾初の温泉旅館「天狗庵」を日本人が開業。第二次世界大戦後は衰退が進んでいたものの、近年は加賀屋など日本の老舗温泉旅館も進出し、古くからある温泉地をスパリゾートとして再開発するなど、温泉に再び注目が集まっているんです。
そんな台湾の温泉は日本と異なり、基本的には水着着用がマナー。また、亜熱帯の気候のためか、お湯に入って体を温めるというよりも、ぬるいお湯にのんびり浸かってリラックスするというスタイルが一般的なんです。北投、陽明山、関子嶺、四重渓の台湾4大温泉をはじめ、海底から湧き出る温泉や奥深い峡谷にひっそりとある秘湯まで、風光明媚な台湾ならではの温泉地も豊富。その数は全国で100カ所を超えるとか!

あの温泉、実は〇〇が見つけた?

日本の山深い地域では、野生のニホンザルがのんびりと温泉に浸かる様子を見られたりしますよね。人間だけでなく動物にとっても温泉は身近なもの。そのためか、人間ではなく動物が温泉を発見したという伝説が残っている地域も多くあります。代表的なのが日本三大古湯の道後温泉。この温泉には、脚を怪我した白鷺が温泉を見つけたという伝説があるんです。ほかにも、猿、熊、鹿、猪、牛、鶴、鷹なども温泉発見に関わっていたようで……。

脚を痛めたウグイスが

岩手県の鶯宿温泉は16世紀末、うぐいすによって発見されたと伝えられています。伝説によると、岩の間から湧き出る湯に、傷ついた脚を繰り返し浸していたうぐいすが数日で飛び去った姿を村の木こりが見ていたのだそう。そのため、この温泉にはうぐいすの湯治場という意味で「鶯宿」という名がついたといいます。


老人に扮した亀に託宣を

山形県の湯野浜温泉、別名「亀の湯」は、11世紀中頃、海辺で温浴している亀に漁師が気づいたことから発見されたそう。弱った亀は毎日お腹を砂につけ、7日目には元気に海に帰っていきました。その晩、漁師の夢の中に老人に扮した亀が現れ、「私は浜の湯で命を救われた。この湯を世に広めよ」と言い残していったことから人々に広まったと言い伝えられています。


たぬきやうさぎも湯治を

約1300年前に開湯された島根県の温泉津温泉は、旅の僧が湯に浸かって傷を治しているたぬきを見つけたことが始まりといわれています。この温泉はたぬき発見説のほかに、縁結びの神様とされる大国主命が病気のうさぎを湯に入れて救ったことから始まったという説もあるのだそう。

あのお土産は温泉の“色”が参考でした

温泉のお土産として定番なのが、茶色い皮に包まれた「温泉まんじゅう」ではないでしょうか。このお菓子のルーツは100年以上前にさかのぼります。
1910年、群馬県伊香保温泉の伊香保神社のもとで菓子屋を営んでいた勝月堂の初代・半田勝三が、伊香保温泉の濃厚なさび色にヒントを得て「湯乃花饅頭」を考案。まんじゅうといえば白い皮が当たり前だった時代に茶色のまんじゅうは話題となり、店頭でまんじゅうを蒸かす演出も温泉客に評判になったそう。この成功によって温泉の色が無色透明なところでも、温泉まんじゅうといえば茶色が定番になったといいます。

海外では釣り竿で茹でるところも

半熟の卵黄より卵白がやわらかい「温泉たまご」も温泉街の名物のひとつ。卵黄が65℃、卵白が75℃程度で固まり始めることを利用して、65℃より少し高めの湯でじっくりと茹でてつくられる温泉たまごは、温泉旅館の朝食の定番ですよね。その発祥には諸説あるようですが、実は海外でも温泉たまごを食べる文化があるんです。そのつくり方もさまざまで、各地で温泉が湧き出ている温泉大国のアイスランドでは、釣り竿のようなものを利用したり、洗濯ネットにたまごを入れて温泉たまごをつくっているといいます。

定番の温泉遊戯はいつ始まった?

最後にご紹介するのは、温泉旅館に欠かせないレクリエーションである「温泉卓球」。世代を問わず夢中になれるこの遊びは、温泉地が団体客に沸いた昭和30〜40年代頃に盛んになったそう。その後、1998年に温泉旅館を舞台にしたコメディー映画「卓球温泉」が公開されると、全国で温泉卓球がブームになったほどなんです。今でもラケットのかわりに温泉スリッパを使った卓球大会や、ご当地を巡る温泉卓球大会が開催されていて、温泉よりも熱い戦いが繰り広げられているとか。


温泉に浸かるだけでなく、湯上がり後の楽しみもたっぷりあるのが温泉地の魅力ですよね。秋も深まり、温泉が恋しい季節になった今、たまには息抜きをして、古くから私たちの心と体を癒やしてくれてきた温泉でリラックスしてみてはいかがでしょう?

参考文献(順不同)
『温泉 歴史と未来』(社団法人日本温泉協会)/日本温泉科学会編『温泉学入門 温泉への誘い』(コロナ社)/石川理夫『温泉の日本史 記紀の古湯、武将の隠し湯、温泉番付 』(中央公論新社)/佐々木信行『温泉の科学 温泉を10倍楽しむための基礎知識!!』(SBクリエイティブ)/松田忠徳『温泉手帳 増補改訂版』(東京書籍)/一般社団法人日本温泉協会ホームページ 等

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