ボクシングの謎

根強い人気を誇るボクシング。今回はそんなボクシングの歴史を辿りながら、ボクシング観戦の楽しさがアップするような雑学を中心に掘り下げてみました。まずはボクシングの発祥から。もともとは髪の毛のつかみあいや投げもOKと、なかなか過激な競技だったようで……?

1200年以上、封印されていた

拳で殴り合うボクシングのルーツは、1万年前のエチオピア付近で行われていた兵士の訓練が、エジプトからクレタ、ギリシアへと伝わったのが源流という説が有力視されているようです。紀元前4000年頃のエジプトでは、兵士の訓練としてボクシングが行われていたことを示す象形文字が残されているのだそう。
紀元前688年には古代ギリシアで行われていた古代オリンピックで公式競技に加えられ、ホメロスの叙事詩「イーリアス」にも登場するボクシングですが、5世紀初頭、ローマ皇帝によって禁止され、それ以来1200年以上にわたって公の場で行われることはありませんでした。再びボクシングが世に現れるのは17世紀後半のこと。1681年に肉切り職人と従僕の試合が行われたことを皮切りに、18世紀初頭にはボクシングを教えるアカデミーがロンドンで誕生。ただし、当時のボクシングは現在のものとは異なり、髪の毛をつかんだり、噛みつきや相手を投げることもOKといった“何でもあり”のノールールだったとか……。 

悲劇を減らすために進められたルール整備

いまでは左右の拳のみを使い、攻撃が認められる箇所は前頭部と側頭部と、トランクスの上部のベルトラインから上への攻撃、いわゆる上半身だけとなったボクシング。こうしたルールが整備され始めたのは18世紀中頃と考えられています。1741年、イギリスのチャンピオンだったジャック・ブロートンが対戦相手を死に至らしめてしまったことから、リング上での悲劇を減らすことができるように、初めてボクシングにルールを導入。噛みつきや投げ飛ばしの禁止をはじめ、試合の採点方法や賞金の配分、さらにグローブの原型となる「マフラー」を考案し、顔面へのダメージを軽減しようとしました。それ以降も実際の試合は素手に近いノールールで行われていたといいますが、1867年にボクサーはパッドの入ったグローブを使用する、1ラウンドを3分として1分のインターバルをはさむ、投げ技は禁止とし、ダウンして10秒以内に立ち上がらなければ負けといったクイーンズベリー・ルールが導入され、素手で行われるボクシングは激減。1889年7月を最後に公では行われなくなったのです。

リングは「輪」なのにどうして四角?

ボクシングの舞台といえば「正方形のリング」と相場が決まっていますが、リング(輪)と呼ぶのに舞台が四角っておかしいと感じたことはありませんか?
ボクシングの試合場がリングと呼ばれるようになった理由として有力なのが、近代以前のボクシングはコロシアムや広場などで行われ、観客が選手を取り囲むように輪になって観戦していたからという説です。時代を経るにしたがって、観客が見やすいように舞台がつくられたり、そこから選手が転落しないように柵やロープなどが設けられ、1867年のクイーンズベリー・ルールで、リングは1辺が24フィート(約7m32cm)の正方形と定められました。
また、ボクシングのリングには4本のロープが張られていますが、もともとは3本だったそう。1本増えたのは、1960年代初頭に立て続けに起きたリング上の悲劇がきっかけだといわれています。1962年3月にアメリカ・ニューヨークで行われた世界ウエルター級タイトルマッチで、王者ベニー・パレットが挑戦者エミール・グリフィスの猛攻に遭い、ロープの間から上半身を外に出すような体勢で鉄柱のコーナーポストに頭を強打して10日後に死去、翌年3月にロサンゼルスで行われた世界フェザー級タイトルマッチでは、王者デビー・ムーアが挑戦者シュガー・ラモスにノックダウンされた際、一番下のロープに後頭部を打ったことにより2日後に死去してしまうといったことが相次ぎ、ボクシングの安全性が社会問題化。これを受け、ロープが3本から4本に、そしてコーナーポストをビニールカバーで覆うといったルール改正が行われたのです。

グローブの下にも安全策が

安全性という意味で、選手の大切な「拳」を守るのが、グローブの下に巻くバンテージ。パンチの衝撃で手の骨を折ったり粉砕したりしてしまわないように巻かれるバンテージは、下手に巻いてしまうと選手生命に影響を及ぼしかねない重要なアイテムのひとつです。一方のグローブも、親指で相手の目を突く反則行為を防止するために、親指部分が本体に固定されたものが試合では使われています。
また、階級によってグローブの重さも決められており、例えばプロの男子では、一番軽いミニマム級からスーパーライト級までは片方が8オンス(227グラム)、 スーパーライト級(63.50キロ)を超える契約ウエイトの場合は片方が10オンス(283.5グラム)のグローブを使用するんです。ちなみに、日本国内で行われるタイトルマッチ以外の4回戦から10回戦までのノンタイトル戦では、グローブは“使い回し”が基本。スタッフがきれいに処理した上で、新たな試合で使われているそう。

減量にはリバウンドが必須!?

ボクシングといえば「減量」がつきもののスポーツです。何かと過酷なイメージがある減量ですが、そもそもボクサーはなぜ体重を落とすのでしょう?
減量の目的は、できるだけ軽い階級に落とすことで体格差によるアドバンテージを得る、余分な脂肪などをとって身体のキレを向上させることなどが挙げられます。試合当日ではなく前日に計量が行われるようになった1990年代前半以降は、計量時に規定の体重まで落とし、翌日の試合でベストコンディションで戦えるように、水分や栄養をしっかり摂取して体力を回復させる、つまり“リバウンド”させることが当たり前となりました。メキシコの元世界ライトフェザー&スーパーフライ級チャンピオンのウーゴ・カサレスは試合の度に10kg以上の減量を行い、計量後に7〜8kg近くも体重を戻すことで知られたほど!
ちなみにJBC(日本ボクシングコミッション)の規定では、リバウンドによって選手同士の体重が離れすぎてしまわないように、体重の8%以上増加した選手にはウエイト変更の勧告が行われる場合もあるといいます。また、IBF(国際ボクシング連盟)ではリバウンドの許容範囲が10ポンド(約4.54kg)以内とされていて、10ポンド以上増量してしまったチャンピオンが試合前に王座を剥奪されてしまったこともあるんです。

ウエイトオーバーはどうなる?

計量時に規定体重以下に体重を落とせていなかった場合、選手には2時間の猶予が与えられます。この間は何度でも計量することができますが、猶予時間をすぎてしまうとチャンピオンの場合はタイトルの剥奪(挑戦者が負けた場合、王座は空位)、ノンタイトルマッチの場合は契約条件によって違約金を支払うなどの罰則が科せられてしまうんです。過度のウエイトオーバーは試合中止となることも……。


安全性の観点からさまざまなルールが整備され、現在の形となったボクシング。体重別に分けて行われるこのスポーツは、19世紀にはライト級とヘビー級の2階級のみでしたが、のちに130ポンド(約59.0kg)以下のライト級、130ポンド超から156ポンド(約70.8kg)のミドル級、156ポンド超のヘビー級の3階級に分けられ、いまでは男女それぞれで17階級(プロの場合)が存在するまでになりました。それぞれの階級の“名称”を眺めてみても、ライト(軽い)、ミドル(中間)、ヘビー(重い)以外は、羽毛という意味のフェザー級や、ストロー(藁)とも呼ぶミニマム級、蠅という意味のフライ級など実にユニーク。そんなボクシングにまつわるトリビアは次ページでも続きます!

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