クレジットカードの世界

現金に代わる決済手段として欠かすことのできないクレジットカード。一体いつから私たちのお財布の中に入り込み、スムーズな買い物を支えてくれているのでしょう? 今回はクレジットカードについて掘り下げていきます。

19世紀のユートピア小説にカード決済が描かれていた?

現金を支払わずに、カードを提示するだけで買い物ができるクレジットカード。人々がクレジットカードを使い始めたのは20世紀に入ってからですが、実は19世紀にアメリカで出版された小説に、クレジットカードのアイデアが登場していたことをご存じですか?
アメリカの作家エドワード・ベラミーが1888年に発表した『Looking backward, 2000-1887(邦題:顧みれば)』は、100年以上の眠りののち、西暦2000年の世界に目覚めた青年が主人公のユートピア小説。この小説の中でベラミーは、市民たちが必要な物資を貨幣ではなく”Credit card”で購入できる未来を描きました。約半世紀後に現実のものとなる新たな時代の決済システムを、ベラミーは予見していたのかもしれませんね。

戦後間もなく誕生した世界初のクレジットカード企業

アメリカでは20世紀初頭から、石油、タクシー、金融、通信業などさまざまな業界内の取引において、客の情報を把握し、サービスを円滑に運ぶためのカードが利用されていたといいます。クレジットカードの原型といえるこうしたカードは、「フランク」「コイン」「チャーガプレート」などと呼ばれていたようです。そして第二次世界大戦が終わって間もない1950年に、世界初のクレジットカード専業企業としてダイナースクラブが設立されました。
ダイナースクラブの設立後、アメリカの銀行もカード型のクレジットカードを発行するようになり、いまや世界ナンバーワンのシェアを誇るVISAの前身となるBank of Americaの「バンカメリカード」や、アメリカン・エキスプレスのクレジットカードが1958年に登場。1966年には、現在のMasterCardの前身となるInterbank Card Associationが、チェース・マンハッタン銀行を中心に複数の銀行により設立されます。アメリカではクレジットカードの登場以前から、現金のほかに小切手を利用する機会も多かったことが、クレジットカード普及の後押しにもなったようです。

日本におけるクレジットカードその“夜明け”には諸説あり?

日本初のクレジットカードをどのカードとするかは諸説あるようです。ひとつは、1960(昭和35)年に百貨店の丸井が発行したクレジットカード。丸井は同年1月から「便利でお買い得な丸井のクレジット」というキャッチフレーズで、当時の小売業界で普及していた月賦払いを「クレジット」と呼び始め、3月からクレジットカードの発行を始めます。しかし、当時のカードは“月賦払いの証明書”のような扱いで、使用できるのは1回限りだったとか。
もうひとつの説は、1960年12月に日本交通公社(現 JTB)と富士銀行(現 みずほ銀行)等の出資により設立された日本ダイナースクラブ(現 三井住友トラストクラブ)が、翌年から発行を始めたクレジットカードを日本初とするもの。1961(昭和36)年は三和銀行(現 三菱東京UFJ銀行)と日本信販(現 三菱UFJニコス)が日本クレジットビューロー(JCB)を設立した年でもあり、この年が日本におけるクレジットカードの“夜明け”ともいわれています。
いずれにしても、富裕層や所得増加が著しかった中間層を主な対象にクレジットカードが浸透する中で、ローンと並ぶ商品として多くの銀行がクレジットカードに着目し始め、1960年代中頃からは都市銀行を中心に、さまざまな銀行がクレジットカード発行のための別会社を設立するようになるのです。

ざっと見! 日本のクレジットカード史

日本に登場したクレジットカードは、どのようにして私たちの生活に浸透していったのでしょう。その流れを時系列でご紹介します。

1962(昭和37)年〜

日本ダイナースクラブがクレジットカードの利用代金の口座自動振替をスタートし、事業者や消費者は月々のわずらわしい集金や支払いから解放されることに。同社は1967(昭和42)年にはクレジットカードでのキャッシングを導入するなど、時代に先駆けた取り組みを行い、日本のクレジットカード発展に大きく貢献しました。


1968(昭和43)年〜

クレジットカードは、カード会社が単独で発行するプロパーカードと、カード会社がさまざまな企業と提携して発行している提携カードの大きく2種類に分けられますが、1968(昭和43)年には日本信販と松坂屋が提携して、日本初の提携カード「カトレアカード」を発行します。
また、1970(昭和45)年には日専連が、翌年には日商連が「全国共通カード」を発行。銀行系のカードと異なり、分割払いができたり、旅行会社や百貨店などと提携を行ったりしたことで、発行枚数を増やしていきます。


1978(昭和53)年〜

海外渡航が身近になる時代に先駆け、1978(昭和53)年に日本ダイナースクラブが世界共通カードである「インターナショナル・カード」を発行。1980(昭和55)年には国際ブランドのVISAやアメリカン・エキスプレスが日本に進出し、銀行系カード各社が国内外で使える共通カードを発行し始めます。純国産のクレジットカード専業会社であるJCBも海外展開に取り組み、JCBインターナショナルを設立して海外での会員や加盟店獲得に乗り出します。
1980年代に入ると、カード利用者の信頼などをカード会社に確認する「オーソリゼーション」の照会を電子的に行えるCAT(信用照会端末)やCAFIS(クレジットカード用の回線)が導入され、それまで主に人の手で行われてきた手続きが一掃されるとともに、クレジットカードの安全性も高まっていきます。


1983(昭和58)年〜

小売りに代わる収入源を模索していた流通業界で、西武百貨店が西武クレジット(現 クレディセゾン)を発足。1983(昭和58)年には「西武カード」を名称変更した「セゾンカード」を発行します。この頃には、伊勢丹、大丸、ダイエー、ジャスコなども相次いで自社カードサービスを設立し、それまでの銀行系、信販系カードとは異なる提携や国際化を図ったほか、証券会社や生保、メーカー系のクレジットカードも登場。1984(昭和59)年には、郵便貯金のキャッシュカードとクレジットカードの共有化も始まります。


1990年代〜

携帯電話やパソコンの普及に伴って、クレジットカードの利用範囲が拡大。大型ショッピングセンターの食品売り場におけるサイン不要のサインレス決済の導入や、高速道路、ガソリンスタンドでの利用もカードの取り扱い増に大きな影響を与えました。
また、それまでカードの代金決済は主に銀行の自動振替に限られていましたが、郵便貯金を決済口座に指定できるカード会社も増え、コンビニでの持参払いが可能になったり、コンビニが発行するクレジットカードも登場します。


2016(平成28)年〜

2016年3月末時点で、国内のクレジットカード発行枚数は約2億6,600万枚。成人1人当たり2.5枚保有していることになります。


日本に登場した当初は富裕層や一部の中間層に利用者が限られていたクレジットカードも、いまや国民1人当たり2枚以上持っている計算に。現金に代わる決済手段が、いかに生活の中に浸透したかがわかりますね。次のページでは、クレジットカードにまつわる疑問も解消していきます!

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