進化するインスタントラーメン

手軽につくれて、しかもおいしいインスタントラーメン(即席めん)。仕事で疲れて帰ったり、小腹が空いたときなどに重宝するという人も多いでしょうが、いったいいつ、私たちの食卓に登場したのでしょう? 今回は、日本の国民食であり、世界でも浸透し続けるインスタントラーメンの世界を覗いていきたいと思います!

うどんの約6倍の高値でも爆発的ヒット!

世界で初めてのインスタントラーメンは、みなさんご存じ、日清食品の「チキンラーメン」! 日本の、世界の食文化を変える商品が登場したのは、日本が高度経済成長期の真っ直中にあった1958(昭和33)年8月25日のことでした。
チキンラーメンの生みの親で、日清食品の創業者である安藤百福氏は、安くてカロリーの高い栄養食として日本人に好まれていた中華そばを家庭でも楽しめるようにと、チキンラーメンの開発に着手。自宅の裏庭に小屋を建て、1日平均4時間という短い睡眠時間で、丸1年、研究に没頭していたといいます。安価であること、調理が簡便であること、衛生的であること、保存性があること、そしておいしいことを「開発の五条件」に生まれたチキンラーメンは、発売当時の価格が1食35円と、うどん1玉約6円の時代に高価な商品だったものの、爆発的なヒットを記録。「お湯をかけて2分間」をうたい文句とした魔法のラーメンとして、瞬く間に日本の食卓に浸透していくのです。

「中華そば」から「ラーメン」に?

チキンラーメンが誕生した当時、ラーメンは「中華めん」や「中華そば」という呼称が一般的だったそう。いまではそう呼ぶことのほうが珍しくなりましたが、ラーメンを巡る呼称の変遷も、インスタントラーメンの普及がひと役買っていたといわれています。また、チキンラーメンの発売から2年後の1960(昭和35)年には、森永製菓から「インスタントコーヒー」が発売されるなど、「インスタント」という言葉もひとつの流行語となったのです。

めん類全体のインスタント化が進んだ60年代

チキンラーメン発売の翌年には、梅新製菓(現 エースコック)や泰明堂(現 マルタイ)などの新規メーカーも参入し、1961(昭和36)年には70社、1965年頃には360社以上と、多くのメーカーが即席めん市場へ参入します。
1960年代は、チキンラーメンのような味付けタイプではなく、スープを別添えにした袋めんタイプも登場した時代。原材料の品質改良や、マイクロ波・熱風・凍結乾燥法、自動包装機など加工技術も向上し、ホタテのエキスを付加し、“木の実のスパイス”を別添えした明星食品「チャルメラ」や、初めて粉末スープに乾燥ねぎを加えたサンヨー食品「サッポロ一番しょうゆ味」など、今年(2016年)で発売から半世紀を迎える名品の数々も発売されます。
ラーメンという枠を超え、さまざまなめん類がインスタント化したのもこの頃のこと。1963年には、ラーメンの需要が伸び悩む夏場向けの商品として「日清焼そば」が誕生。エース食品(現 エースコック)の「即席ワンタンメン」や「イタリアン・スパゲッティ」、和風即席めんの先駆けとなった東洋水産の「マルちゃんたぬきそば」、サンヨー食品の「長崎タンメン」が発売されるなど、即席めんの“黄金時代”を迎えるのです。

業界震撼! 世界に誇るカップめん登場

産業として規模が拡大していた60年代と異なり、70年代に入ると即席めん市場は飽和状態となり、生産量も伸び悩みました。そんな中、インスタントラーメンの楽しみ方を根本から変える商品が登場します。1971(昭和46)年9月、日清食品から発売された「カップヌードル」です。
包装材・調理器・食器という3つの機能を兼ね備えた発泡スチロール製の容器や、宙づり状にめんを収めて破損を防ぎ、湯戻りもよくするという革新的なアイデア、フリーズドライ製法の具材、そしてお湯を注ぐだけの手間で1食分のラーメンが完成するというインスタント性の高さなど、従来にない創意工夫が重ねられた商品は業界に大きな刺激を与え、発売から2年ほどで、新しいカップめん分野に参入するメーカーが10社以上と増加します。
70年代初頭は、銀座、新宿、池袋、浅草などの繁華街で歩行者天国がスタートした頃。日清食品は若者が集う歩行者天国でカップヌードルの試食発売を実施し、フォークを手にしてカップヌードルを食べる“立ち食い”がファッションにもなりました。また、1972(昭和47)年のあさま山荘事件では、極寒の中でカップヌードルを食べる機動隊員の姿が全国放送され、カップめんの知名度をさらに上げていくのです。

1分で食べられるカップめんは短命に・・・・・・

現在、カップめんはお湯を注いで3分間待って食べるものが主流ですが、1982(昭和57)年に明星食品から発売されたのが、お湯を注いで1分間で食べられる「クイックワン」です。「60秒ヌードル」とうたわれ、ポーク味、カレー味などもリリースされましたが、めんの伸びが早いと言われたり、1分の待ち時間では何もできない……と、商品としては短命に終わってしまったのだそう。3分間は、カップめんをおいしく食べられる絶妙な待ち時間なのかもしれませんね。

リアルの追求が袋めん市場を変えた?

1971年に誕生したカップめんの総生産量は、発売の翌年には1億食、4年後の1975(昭和50)年には11億食と驚異的な伸びをみせ、1989(平成元)年には袋めんを抜いて、24億500万食に達します。
そんな90年代前後は、生めんタイプの即席めんが新たな市場を開拓した時代でもあります。それまでの即席めんといえば、油で揚げた油揚げめんか、熱風でめんを乾燥させたノンフライめんに大別できましたが、1989年11月に島田屋本店が本格的な生めんタイプのカップめん「真打ちうどん」を発売。そして、1992(平成4)年には、ゆであげ直後の食感を長期間維持できる新技術を用いた日清食品「ラ王」が登場し、大ヒット。生めんタイプの即席めんが、スパゲティや焼きそばでも展開されていくのです。

リアルなめんにどれだけ近づけられるか・・・・・・

リアルなめんに引けをとらない食感や風味をどれだけ実現できるか、という追求が日夜行われている即席めんの世界。特に最近、話題を集めたのが、東洋水産が2011(平成23)年に発売した袋めん「マルちゃん正麺」シリーズでしょう。油分が少ないノンフライめんでありながら、風味がよくコシのある生めんに近い仕上がりを楽しめる商品の登場で、日清食品「ラ王」(2012〈平成24〉年発売/袋めん)や明星食品「究麺」、サンヨー食品「頂」(2013〈平成25〉年)など他社も追従。売り上げが落ち込んでいた袋めん市場をV字回復させる“マルちゃんショック”を与えたのです。

カップめんで健康維持!?

日本人の健康意識の高まりを受け、近年では即席めんの世界でも健康を意識した商品が充実してきています。その走りとなったのが、2001(平成13)年にエースコックが発売した「スープはるさめ」。低カロリーな商品として女性を中心に人気を集め、即席めん界の“はるさめブーム”の火付け役となりました。また、2009(平成21)年には日清食品が1食のカロリーを200kcal以下におさえた「カップヌードルライト」シリーズを開発(通常のカップヌードルのカロリーは353kcal)。最近では、ノンオイルのスープにノンフライめんで「コレステロールゼロ」をうたうサンヨー食品「サッポロ一番 グリーンプレミアム0」といった商品も発売されているんです。
超高齢社会に突入している日本では、今後、低糖質や減塩など、高齢者にとってうれしいインスタントラーメンも充実していくといわれています。2005(平成17)年に宇宙へ飛び立ったスペースシャトル・ディスカバリーで、宇宙飛行士の野口聡一氏が食べた宇宙ラーメン「スペース・ラム」は、日清食品とJAXAが共同開発したインスタントラーメン。70℃という低温のお湯でも調理でき、とろみをつけたひと口サイズのラーメンであることなどが、高齢者にとっても食べやすい商品になるのでは? と注目されているのだとか!

インスタントラーメンは高カロリー?

即席めんというと「カロリーが高い!」というイメージを持っている人も少なくないかもしれません。しかし、一般的なサイズのインスタントラーメンの場合、1食のカロリーは約300〜500kcalで、ごはんのお茶碗山盛り1杯と同程度。油分についても一般的な油揚げめんの脂質量は15g前後、ノンフライめんになると5gほどで、カレーライス1食(約25g)と比べても目立って高い数値とはいえないんです。


次ページでは、世界に広がるインスタントラーメン事情や、これからの季節にぴったりなインスタントラーメンレシピもご紹介!

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