チーズと日本人

11月19日に解禁されたボージョレ・ヌーボー。ワインのお供といえば、本国フランスではチーズが定番ですし、「ワインにはチーズ」という習慣は、日本でも幅広く根付いています。そこで今回の「Trace」は、“ワイン”ではなく“チーズ”を特集! 古くから世界のさまざまな地域で食べられているチーズですが、日本ではどのように根付いていったのでしょうか? グラス片手に、ぜひご一読ください!

チーズ消費量が国内でもっとも多い地域は?

まずは、データから日本のチーズ事情を見てみましょう。日本人の年間チーズ消費量は1人当たり約2.3kg(※)といわれています。では、日本でチーズを一番たくさん食べている地域はどこだと思いますか?
総務省統計局の「家計調査(2人以上の世帯)」によると、国内でチーズを一番多く購入している地域は、東京都区部の年間3.628kg。2位は僅差で川崎市(3.609kg)、3位は横浜市(3.476kg)となっています。上記の地域は、ワインやスパゲッティなど、チーズと相性の良いアルコールや食品の消費量や支出金額でも上位に入っていることから、チーズに合う食生活を送っている人が自然と集まっているのかもしれません。
※ 農林水産省「平成26年度チーズの需給表」と総務省「人口推計(平成26年10月1日現在)」を参考に算出

ちなみに、世界の1人当たりのチーズ消費量を国別で見てみると、1位はフランスの25.9kg! さすが“美食の国”ですね。

女性に大人気、ヨーロッパのチーズ料理とは?

ここ数年で日本に浸透したチーズ文化といえば、白ワインで煮込んだチーズを野菜などに絡めて食べる「チーズフォンデュ」ではないでしょうか。いまや“チーズフォンデュ味のポテトチップス”もリリースされるほど定番化していますが、最近は、フランス語の“Racler(削る)”が由来の「ラクレット」もメディアでよく取り上げられています。
これは、熱で溶かしたラクレットチーズをじゃがいもなどにつけて食べるスイスやフランス・サヴォワ地方の伝統料理で、TVアニメ「アルプスの少女ハイジ」で見たことがある人も多いはず。チーズの良質なタンパク質と野菜のビタミンや食物繊維などを一緒に摂ることができることから、美容や健康に意識の高い女性を中心に人気を集めているといいます。
また、「チーズに合うアルコール=赤ワイン」という定石を覆して、同じ発酵食品である日本酒とチーズの相乗効果を楽しむ人も増えている様子。チーズに合う日本酒までつくられているほどなんです!

世界に1000種類以上 トナカイやラクダのチーズも!?

現在、日本では国内外の500種類以上のチーズが流通しているといいます。日本で親しまれているチーズの原料の多くは牛乳ですが、世界に目を向けてみると、そのバリエーションは多種多様。地中海沿岸諸国の乾燥した地域では、牛よりも古くから牧畜が行われていたヒツジやヤギの乳が使われることもありますし、水牛(イタリアやインド)、ヤク(ヒマラヤ)、トナカイ(ラップランド)、ラクダ(アラブ)など、さまざまな動物の乳のチーズが各地域でつくられているんです。
ちなみに、フランスには「一村一チーズ」という言葉があるほどで、世界には数千種のチーズが存在するといわれています。チーズとひと口に言っても、本当に奥深い世界なんですね。

日本はなぜプロセスチーズづくりが盛ん?

奥深いチーズの世界、ここからは歴史につながるお話を。日本でポピュラーなチーズといえば、プロセスチーズを思い浮かべる人が多いかと思います。「スライスチーズ」や「キャンディチーズ」など、プロセスチーズのバリエーションは他国に比べて豊富で、チーズの消費にプロセスチーズが占める割合が、日本人は圧倒的に高いというデータもあるほどなんです。
最近では青カビやハードタイプのナチュラルチーズをつくる工房も国内に増えていますが、ナチュラルチーズがポピュラーなヨーロッパに対して、なぜ日本ではプロセスチーズが普及しているのでしょう?

●ナチュラルチーズ

乳を乳酸発酵させて固め、水分の一部を取り除いたもの。乳酸菌やカビが生きており、酵素の活性も続いているため、熟成による味の変化を楽しめます。


●プロセスチーズ

ナチュラルチーズを加熱・溶解・乳化してパッケージ化するチーズで、1911年にスイスで製造技術が発明されました。細菌は死滅、酵素の活性も止まっているため、味や質が変わりにくいという特徴があります。

このギモンは、日本で本格的なチーズ生産が始まった頃の歴史を紐解くと、答えがみえてきます。日本でチーズの工業生産が始まるのは1930年前後のこと。北海道製酪販売組合連合会(酪連)が1933年にチーズ専門工場を北海道・遠浅で設立し、ブロックタイプのプロセスチーズを発売。ここにチーズ大量生産時代の幕が開くのです。
もともとはゴーダチーズなどのナチュラルチーズづくりを行っていた酪連がプロセスチーズの生産にシフトした背景には、冷蔵庫などの輸送環境が整っていない当時、品質が安定していて賞味期限が長いプロセスチーズのほうが市場に適していた、また、個性的な味わいのナチュラルチーズに比べて、プロセスチーズが受け入れられやすかったという理由もあるようです。

80年で1000倍以上!! 日本の食卓に定着したチーズ

戦後から高度成長期にかけて食の欧米化が進んだことで、日本のチーズの消費量は急激に伸びました。ここで、チーズが普及するまでの流れを追ってみましょう!

1950〜60年代 食の欧米化でチーズが食卓に

国をあげて食の欧米化が推進され、日本人の食生活が大きく変化。学校給食にもチーズが登場し、子どもにとってはお菓子、大人にとってはお酒のおつまみなど、幅広い世代でチーズが日常食になります。


1970年代 パン食に最適なスライスチーズが登場

米食よりパン食を好む人が多くなり、サンドウィッチにはさめたり、トーストにのせて楽しめたりするスライスチーズが普及。ピザ(ピザトースト)を扱うファミリーレストランや喫茶店も登場したことから、チーズを使った料理を食べる機会が格段に増えました。


1980年代 ナチュラルチーズの消費量が拡大

チーズケーキブームなどの影響でナチュラルチーズの消費が拡大し、1986年にはプロセスチーズとナチュラルチーズの消費量が同程度になります。北海道を中心にチーズ工房ができ始め、日本オリジナルのナチュラルチーズが生まれてくるのもこの頃のこと。また、トースターがポップアップ式から横置きのオーブントースターへと進化したことで、食パンにのせて焼けるとろけるスライスチーズが人気に。


1990年代〜現在 種類が増え、専門店も登場!

ワインやイタリア料理人気で、チーズのバリエーションも豊富になり、デパートや高級スーパーでは売場が拡張され、専門店も登場。1934(昭和9)年には1人当たり年間わずか2gだったチーズ消費量は、いまや約2.3kgと1000倍以上に増えました。


この80年間ほどで、すっかり日本の食卓に定着したチーズ。チーズには豊富なカルシウムが含まれており、日本人に不足しているカルシウムをプロセスチーズ一切れで補えるというデータもあるといいます。ますます食べたくなってしまうチーズのトリビアを、次ページでご紹介します!

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