めくるめく自動販売機の世界

愛すべき自動販売機の数々

自動販売機の長い歴史の中には、「なぜ、こんなものを!?」という摩訶不思議なものも少なくありません。
いまや5兆円もの売上を誇る自販機業界の裏には、人知れず存在していた、レアな自販機があったようです。

常に挑戦心を忘れない!愛すべき、自販機の数々

自販機というと、飲料やタバコをイメージしがちですが、歴史の中には思わず?? となるようなものが売られていたようです。例えば、宝石。とある宝石店が、店の前に宝石を販売する自販機を置いたことがあったそうですが…。もちろん、一世一代の買い物を自販機で済ます人はおらず、ほとんど使われないまま撤去されたそうです。他にも、神戸の精肉店が店頭で包装した肉のパックを売ったこともあったとか。しかし、中が見えない状態で生ものを買う勇気がある人は少なかったようで、こちらも売上が伸びず、撤去されたそうです。

現存するのは1台のみ?島根にある幻の噴水型自販機

自販機は中身だけでなく、形に特徴があるものもありました。中でも、ジュースが噴水のように噴き出す型の自販機は、当時デパートやスーパーに置かれ、子ども達から大変な人気を集めていました。これは、1960年代に約4000台が製造されたもので、現在も動いているのは島根県にある1台のみ。お目見えするのは3月と9月に行われる大田市の彼岸市の時で、10円でオレンジジュースを振る舞っているそうです。自販機フリークにとっては、幻の一台とも言われています。

全国の珍自販機TOP5

おもしろ自動販売機や、懐かしの自販機を紹介するサイト「山田屋」の
管理人・野村誠さんに、現存するお気に入りの自販機を聞きました!

ボンカレー自販機 [徳島県]

「誰だか分からない野球選手が目を引く一台です(笑)ボンカレーのレトルトパックとごはんが入った紙袋が出てきます。値段は400円で、スプーンも付いてくるので、その場ですぐに食べられます。おそらく30年以上前からある自販機ですから、大切に扱ってもらいたいですね」

COSMOS自販機 [栃木県内]

「COSMOSは1977年から88年まであったおもちゃメーカーです。自販機好きには有名で、栃木や群馬でよく目撃されています。以前は当たりで豪華なゲームや時計が入っていたようですが、現存するものは何が入っているのか…。ぜひ近くにお住まいの方に確かめてもらいたいですね」

何でも自販機 [東京都秋葉原]

「秋葉原の万世橋近くの裏道で発見しました。新型のどんな形状でも販売できる自販機を利用しているため、缶ジュース、瓶ジュース、箱や袋のお菓子、焼き鳥の缶詰、プラレール、電車のおもちゃなど、とにかく何でも売っています。目の前に立つと、パラレルワールドに迷い込んだような錯覚さえ覚えます(笑)」

弁当自販機 [茨城県稲敷市]

「おもしろ自販機の宝庫・北関東、茨城にある一台です。300円を入れると、温まった状態の弁当が出てきます。焼肉弁当や唐揚げ弁当など、バリエーションも豊富。近隣の方が作っており、リピーターもいるほどです。昭和47年から現在まで稼動している息の長〜い自販機です」

温泉自販機 [栃木県足利市]

「なんと近くで湧き出る温泉をガソリンスタンドのような形式で販売しています。10リットル10円というリーズナブルな値段設定で、近隣の人がよく利用しているようです。これは、ぜひ家の近所にも欲しいです。毎日温泉気分が味わえますからね」

野村さん曰く、「自販機探しは宝探し」に似ているとか。食品などの珍しい自販機はいまや絶滅危惧種。野村さんは、いまも現役の自販機を探して、週末には地方を駆け回っているそうです。

自動販売機が普及し出した1960年代から約50年、自販機はさらなる進歩を遂げています。その裏にあるのは、日本の技術力と絶え間ないチャレンジ精神だったのかもしれません! ぜひ、この機会を通じて自販機に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

取材協力

一般社団法人 日本自動販売機工業会

自動販売機や金融機器(ATMなど)の現金取扱機器の総合的な進歩発展、普及促進を図る業界団体。

野村 誠/ウェブサイト山田屋 管理人

自動販売機紹介HP「山田屋」を主宰。約15年前から同HPで全国のおもしろ自販機を紹介。テレビ朝日「マツコの知らない世界」ほか、各種メディアでも活躍中。

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