最近はパソコンで文字を打つことがほとんどですが、だからこそ伝言メモやお礼状などの手書き文字が注目されることになります。また、読みやすい文字を書くことはコミュニケーションにおいても重要です。そこで、今回は美文字研究家の青山浩之先生に手書き力がアップするコツを教えてもらいました。
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字がうまく書けないという人は、まずペンの持ち方を確認してみましょう。NG例のように親指を人差し指の下にくぐらせたり、逆に人差し指の上に突き出していたりすると、ペンを握りしめてしまい、ペン先がスムーズに動かせません。ペンは、握るのではなく、人差し指・中指・親指の3本でつまむように軽く持つことが大切。そして、手首は机に固定して、浮かさないようにすると手元が安定します。これだけで、ペンをなめらかに操ることができ、字がラクに書けるようになります。持ち方に慣れるために、○△□や絵を描いて練習するのも有効です。
正しい持ち方どおりに持てない人のために、パッと正しい持ち方ができる方法を伝授します。
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クセ字で悩んでいる人におすすめのチェック法が「すき間均等法」です。これは、文字の線と線の間にできる隣り合うすき間の大きさを均等に書く方法。たとえば「様」という字は、木へんの横線から上の2ヶ所、下側の4か所のすき間のそれぞれを同じになるようにするとバランスがとれた文字になります。逆にNG例はすき間がバラバラ。このちぐはぐさがクセ字の原因です。平仮名や片仮名にも通じる鉄則ルールなので、意識してマスターしてみましょう。
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漢字を書く上では、「なげやりな字に見える」「幼い印象を与える」といった失敗があります。丁寧で大人らしいの漢字を書くためにはいくつかのルールがあります。ささっと書いても好印象に見えるコツをつかみましょう。
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平仮名は書く頻度も多く、漢字ほど字種も多くはありませんので、マスターするとグッと手書き力が上がります。平仮名は、その曲線に大きな特徴があり、そこをうまく書くのがポイントです。逆に結びの部分はしっかりと角をつけるとメリハリのある字になります。
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平仮名は書く頻度も多く、漢字ほど字種も多くはありませんので、マスターするとグッと手書き力が上がります。平仮名は、その曲線に大きな特徴があり、そこをうまく書くのがポイントです。逆に結びの部分はしっかりと角をつけるとメリハリのある字になります。
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文字がきれいに書けるようになったら、文や文章を整えることに気を配りましょう。下の文を見れば一目瞭然ですが、文字の並びがくねくねと曲がっていると、きれいには見えません。文や文章を書くときは、中心に串を刺すイメージで、真ん中を揃えて文字を並べてみましょう。また、ひらがなは漢字より少し小さめに書くのもポイントです。
いま、あなたが「字をきれいに書きたい」と思った理由は何でしょうか? 「クセ字だと大人として恥ずかしい」「上司に字がきたないと指摘された」など、自分のためという方もいらっしゃるでしょう。しかし、本来、字を書く行為は、自分の思いを相手に伝えるためのもの。文字は、そのために機能する道具だと思ってください。ですから、はじめは「お手本通りに書く」のではなく、相手に読みやすい文字を書くことを意識しましょう。このとき、相手の顔を思い浮かべると、モチベーションも自然に上がってくると思います。そうして徐々に読みやすい文字が書けるようになれば、結果としてお手本に近い文字が書けるようになっているはずです。
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監修 青山 浩之 さん
横浜国立大学准教授。書写書道教育についての研究を行いながら、NHK「あさイチ」など、多くのテレビ番組やカルチャースクールやセミナーなどで一般向けにも指導。豊富な知識と経験に基づいた理論と教え方には定評がある。近著、『10日で「美文字」が書ける本』(講談社)は、DVD付きで楽しく上達できる。
- vol.1今さら聞けないネットのイロハ
- vol.2天気予報の正しい見方とは?
- vol.3プロが伝授するスマホ撮影テクニック
- vol.4ナンバープレートのあれこれ
- vol.5正しい日本語講座
- vol.6まぎらわしい名称カタログ
- vol.7定番メニューの正しい食べ方
- vol.8冬・星空観賞のススメ
- vol.9年末年始の伝統行事カレンダー
- vol.10愛を深める科学的恋愛テクニック
- vol.11手書き力がアップする美文字レッスン
- vol.12春らんまん・桜の観察入門
- vol.13マスターしたい洗濯のキホン
- vol.14“聞く”から始めるコミュニケーション