おとなの補習時間

サイダーとソーダ、ジーンズとジーパン…世の中には、「それって同じでは?」とツッコミたくなる名称が数多くあります。
でも、同じなら別の名前がある必要はないですよね。今回は、そんなまぎらわしい名称に関する疑問を解消すべくジャンル別に検証してみました!

食べ物編

ソーダとサイダー
  • ソーダ・・・・・水に無機塩類(塩化ナトリウムなど)を溶かし、炭酸ガスを圧入した清涼飲料水。
    つまり、単なる炭酸水のこと。オランダ語のsoda=水酸化ナトリウムや炭酸水素ナトリウムからきています。
  • サイダー・・・・香料やクエン酸などを加えた砂糖液と、炭酸水とを混合した清涼飲料水。

甘くないのがソーダ、甘いのがサイダー。例えば、ウィスキーのソーダ割りは甘くないけれど、ウィスキーのサイダー割なら甘くなってしまいます。味の違いにご注意を!

パスタとスパゲッティ
  • パスタ・・・・・小麦を練って成型したものを指し、スパゲッティやマカロニ、ペンネなどの総称です。
  • スパゲッティ・・パスタの一種で、中が空洞でない筒状の細長いもの。太さはさまざまですが、1.6~1.9ミリのものをスパゲッティと呼ぶことが多いようです。

パスタは麺類の総称で、ロングパスタとショートパスタに分類されます。世界には約500種類以上のパスタがあると言われていて、スパゲッティはその中の一種類です。

コーヒーのバリエーション

コーヒーのバリエーション

ベースとなるものがコーヒーかエスプレッソか、そこに合わせるミルクの種類と量で名称が異なります。しっかり把握できていれば、お店で注文する時にも迷わないで済みそうです。

  • コーヒー・・・・豆は浅煎りから深煎りまで幅広く、ドリップ式で抽出を行います。
  • エスプレッソ・・深煎りで、細かく挽いた豆を圧力をかけて抽出します。

ファッション編

ズボンとパンツとスラックス
  • ズボン・・・・・腰から足にかけて2本に分けて覆う西洋式脚衣の総称です。語源はフランス語でスカートの内側に履くペチコートを指す「jupon(ジュポン)」という説と、「ずぼんと足に入る」という擬音という説があるそうです。
  • パンツ・・・・・pantaloonsの略。アメリカではズボンをさします。男女の下着用パンツを意味する語として使われてきましたが、今はズボンとしても一般的に通用するようになってきました。
  • スラックス・・・英語でslacksはゆるいを意味します。スーツ用でなくカジュアル・ウエアとして気軽にはく、スポーティーな男女のズボンを意味していましたが、最近ではさまざまな形のものをさします。

現在では、すべて男女の下半身に着る服を指す語なので3つとも意味は同じです。まさか、ズボンが擬音からきていたとは驚きです。

ジーンズとジーパンとデニム
  • ジーンズ・・・・jeanは細綾織りの木綿の布地をいい、丈夫なので労働着用に適しています。またこの布地で作られたズボン類、時には作業着などをさします。
  • ジーパン・・・・「GI(米兵)のはくパンツ」ということで、Gパンという言葉が生まれました。日本特有の呼び方と言われています。
  • デニム・・・・・糸染めの厚地織物。たてに藍や赤、鼠、茶褐色などで染めた太糸、よこに白い糸を使って綾織したもの。作業用服地のほか、カーテンなどの室内装飾、家具の下張りに使われています。

ジーパンはパンツにしか使えませんが、ジーンズやデニムは布地や織物自体をさします。「ジーンズ生地」や「デニム素材」はOK、「ジーパン素材」はNGです。

ジャンパーとブルゾン
  • ジャンパー・・・英語でjumperとは作業用に水夫や漁夫などが着るゆとりのある上着を意味しますが、現在はスポーツウエア、遊び着、防寒・防水用など、素材や用途も多様です。ディテールは前あきでファスナーやボタン留めのもの、プルオーバー型(かぶり)のものがあり、裾と袖口はベルトやカフス、ニット地などをつけてぴったりさせ動きやすいようになっています。
  • ブルゾン・・・・語源はフランス語のblouson。ウエスト丈かそれより長めの丈のジャケットで、裾はたるみを入れながらベルトやひもで体にフィットするように絞ったもの。たるみは背部の裾位置で袋状に垂れ気味の状態になっています。

混同して使ってしまいがちですが、実は少し形が違います。ジャンパーのほうはスポーティーでブルゾンのほうはおしゃれ着というイメージになります。

生活編

夫と旦那と主人と亭主
  • 夫・・・・・女性を「妻」と表現するのに対し、男性をさす語。「私の夫」、「○○さんの夫」と使うが、話し相手に対して「○○さんの夫はお元気?」と使うのはNGです。
  • 主人・・・・家の長、店の主(あるじ)、自分の仕える人。もともと、上下、主従の関係を表わす言葉なので避ける人も。
  • 旦那・・・・お布施をする人、商家の奉公人が自分の主人を敬っていう語。ただし、現在では「ウチの旦那が」と妻が夫のことを言う時や、「お宅の旦那は〜」と相手(妻)の夫をさすこともあります。
  • 亭主・・・・その家の主(あるじ)、夫、茶の湯で茶事を主催する人。現在は旦那と同様の使われた方をすることが多い。

敬意の付け方としては、夫、主人よりも旦那や亭主の方が上。多くの人が混同しているので、正しく使い分ければ知性のアピールにもなるかもしれないですね。

アパートとマンションとコーポとハイツ
  • アパート・・・・apartment houseの略とされ、1棟の建物をいくつかの独立した住居に仕切ったもの。木造や軽量鉄骨造で、2階建て程度のものをさします。
  • マンション・・・mansion(大邸宅)の意味。日本では、鉄筋コンクリート造・重量鉄骨造などをさし、中・高層の集合住宅や分譲形式のものを言います。
  • コーポ・・・・・corporate+houseまたはcooperative houseの略からとされ、鉄筋コンクリート造りの集合住宅です。
  • ハイツ・・・・・高台にある集団住宅。また、集合住宅・住宅団地などにつける呼び名。

建築基準法ではアパートもマンションも共同住宅という定義となるので、不動産業者や大家さんが、どのように呼ぶかを決めていることがほとんどだそうです。

預金と貯金
  • 預金・・・・銀行などの金融機関に金銭を預けること。
  • 貯金・・・・郵便局・農業協同組合・漁業協同組合などに金銭を預けること。また金銭を貯める行為に対しても使います。

つまり、金融機関か郵便局や預け先の違いということですね。ちなみに、「ゆうちょ銀行」になった現在でも貯金と使うそうです。

仕事編

退職願と退職届と辞表
  • 退職願・・・会社へ退職の承認を依頼するものです。退職願を出すことにより、会社に退職の意志があることを伝えます。承諾されるまでは撤回も可能。
  • 退職届・・・退職願いと違い会社へ退職を届け出る形式。自ら「退職します」という態度になるため、撤回することができません。
  • 辞表・・・・公務員や社長、専務、常務等などの役職者が辞意を表明する際に使用します。

一般社員の場合、「退職願」で会社に辞意を伝え、その後、会社への最終的な意思表示として「退職届」を提出します。「辞表」は、公務員や役職者などの限られた人が使います。

給料と給与
  • 給料・・・・会社員や公務員が労働の対価として事業主から支払われるお金のこと。ここには残業代や各種手当は含まれないため、基本給のことを指します。
  • 給与・・・・こちらは給料よりも幅広い意味合いで使われる。給与には残業代や手当、ボーナスも含まれます。

給料+各種手当=給与という図式になります。毎月、給料日がありますが、正式には給与日なんですね。

Webとインターネット
  • Web・・・・・・・・ホームページやWebサイトだけのことをさします。
  • インターネット・・・インターネット回線を通した仕組み全般をさしますので、Webだけでなく、携帯電話によるデータ通信やメール、チャットなども含みます。

一般的にはほぼ同じ意味で使われていますが、実はWebよりインターネットの方がより広い意味を示す言葉になります。

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