暑さも一段と厳しくなって、夏休みシーズンも間近。この時期には、車で帰省する人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、知ってるようで知らないナンバープレートについての補習です。
教えてくれるのは、国土交通省の方! これさえ知っていれば、渋滞の車内も退屈じゃなくなるかも!?
自家用車、バイク、原付、トラック、バス…。エンジンが搭載され、公道を走る乗り物にはすべてナンバープレートがついています。ナンバープレートのはじまりは、警視庁によって「自動車取締規則」が交付された明治40年。それ以来、100年以上ほとんど変わることなく、ナンバープレートのルールと公道の秩序が守られ続けています。
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ナンバープレート制度がはじまった明治40年(1907年)当時、今のような印刷されたプレートではなく手書きで番号を書いていたそうです。これは、警察庁が交付した「自動車取締規則」で決められていたことで、車両番号を車体に直接描くか、長方形の標板に描いて車体へ取り付ける方法により表示することが義務づけられていました。
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道行くナンバープレートをよく観察すると、車の種類によって色が違うのが分かります。
この色が違うことで瞬時に自動車の車種等の識別をする役割を果たし、有料道路の料金収受、バス・タクシー・トラック営業類似行為の防止、ひき逃げ事件などの犯罪捜査などに役立っているそうです。
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ナンバープレートには必ずひらがなが使われていますが、実は「お、し、へ、ん」の4単語の使用は禁止されています。
禁止の理由は以下の通り。「お」、「し」、「ん」は納得でますが、「へ」の理由はちょっと意外ですね。
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レンタカーのナンバープレートと言えば「わ」が一般的。
しかし、北海道では以前「れ」が使われていたことがあるそうです。そもそも、ナンバープレートに使われる文字は用途によって決まっており、レンタカーは「わ」と「れ」でした。この時、北海道は「れ」を選択したため、この文字が使われるようになりました。しかし、他の都道府県はほとんど「わ」を採用。全国に合わせる形で、現在は「わ」がほとんどだそうです。
レンタカーのナンバープレートに関して、『元々は「れ」だけにするはずだったのに、登録の際、FAXで送られてきた字を「わ」と読み違えて利用されることになった』といった噂もあるようですが、そんな事実はないそうです。
ナンバープレートの数字は、自分の好きなものを選べるのをご存知でしょうか? 例えば、自分の誕生日にしたり、好きな数字にすることもできるのです。希望できるのは、大文字で書かれた4ケタ以下のアラビア数字の部分のみ。中でも、人気の数字に関しては、抽選が行われることもあるようです。
抽選は毎週1回月曜に行われています。自分の誕生日の数字だったら、意外にゲットできる確立は高いかもしれませんね。
ほかにも「2525(ニコニコ)」なども地域によっては、抽選となる場合があるようです。
「ナンバーを変更させたい」という思いはあるものの、いざ申請するとなるとちょっと億劫かも?
では、県別で見ると、どの地域が最も番号申請の割合が多いのでしょうか?
1位は、洗練された印象のある都市・石川でした。
金沢21世紀美術館もあり、町並みも綺麗な都市だけあって、物事へのこだわりが強いということかも。
2位は、東北を代表する都市・仙台。そして、3位と5位に北海道の地域が並んでいることも気になるポイント。
車移動が多そうな地方都市がトップ5に来ており、東京がランクから外れていることからも、
車社会が浸透している街であるほど、ナンバープレートへのこだわりが増す…のかもしれませんね。
(国土交通省 自動車局 自動車情報課調べ)
平成24年度業務量統計より抽出
注:変更の理由として個人の趣向の他、盗難、汚損、毀損等の理由もあるため、結果は分析の正確性を保証するものではありません。
<ここまでの監修:国土交通省 自動車局 自動車情報課>
自動車のナンバープレートと言えば決められた様式がありますが、原動機付自転車や小型特殊自動車のナンバープレートは各自治体で自由に様式を定められるそうです。その地域ならではの特色や、特産物等を全面に打ち出したデザインは「ご当地プレート」として、各地で親しまれています。
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岩手県平泉町
プレート名 : 世界文化遺産 HIRAIZUMI
交付年月 : 2013年7月
中尊寺の金色堂と古代蓮、秀平塗の模様が描かれ、世界文化遺産の文字も入り世界文化遺産をアピールしています。
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千葉県船橋市
プレート名 : 「船」と「橋」
交付年月 : 2012年5月
市の名前に基づき、船と橋を絵にした遊び感覚のあるナンバープレート。
下部の波型が目を引きます。
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静岡県焼津市
プレート名 : 海がキラリ・魚河岸シャツの豆絞り
交付年月 : 2013年1月
焼津市名物の漁港らしく波をモチーフに。白部分には、昔から焼津の人々に親しまれている豆絞り文様が描かれています。
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徳島県徳島市
プレート名 : 「踊り天国」とくしま
交付年月 : 2012年1月
徳島名物の阿波踊りをイメージ。阿波踊りをしている男女が並んだ、とてもユニークなものです。
<画像提供:日本経済研究所>
- vol.1今さら聞けないネットのイロハ
- vol.2天気予報の正しい見方とは?
- vol.3プロが伝授するスマホ撮影テクニック
- vol.4ナンバープレートのあれこれ
- vol.5正しい日本語講座
- vol.6まぎらわしい名称カタログ
- vol.7定番メニューの正しい食べ方
- vol.8冬・星空観賞のススメ
- vol.9年末年始の伝統行事カレンダー
- vol.10愛を深める科学的恋愛テクニック
- vol.11手書き力がアップする美文字レッスン
- vol.12春らんまん・桜の観察入門
- vol.13マスターしたい洗濯のキホン
- vol.14“聞く”から始めるコミュニケーション